金(金銭)

生きてゆく上で無くてはならない必要なもの。


にもかかわらず、生み出すのに時間や労力がかかるものだ。


ギャンブルで得ることも可能だが、


【悪銭身につかず】

(不当な手段で儲けた金銭は無駄に使ってしまって結局消えてしまう)


と言うし、


宝くじの当選で舞い込んだ金は、


【あぶく銭(泡銭)】

(労せずして、また不当に得た金)


と呼ばれ、手元には残らないモノに分類される。


【金は湧き物】

(心配しなくとも金は意外に思いがけないところから自然にわいてくる)


なんて棚ボタ(棚から牡丹餅)的な言葉があるが、実際にはそんな事はない。


「金が欲しい」と誰かに話してみると、


【金は天下の回り物】

だと言う。


『今貧しい事を悲観せず、懸命に働いていればあなたの所にもやって来るさ』

という励ましの言葉。


しかし、その対義語には


【金は片行き】

がある。


これは、

『金銭の行方は片寄る。持たざる者の所には、いつまで経っても訪れて来ないが、持っている者の所には集まってくるのが金。』

と解釈できる。


金のない人間は、


【貧すれば鈍する】

(貧窮して余裕がなくなれば愚かな行為をしてしまう)

少しでも多くの金を得ようと誰かと諍いを起こす。


すると割って入った人間が、


【金持ち喧嘩せず】

だという。


これの意味は、

「裕福だから寛容さを保つことが出来るので争わない」ではなく、

『金持ちは損をするリスクが高いもめごとを避ける』という意味。


金持ちはそれでも生きていけるからいいが、

持たざる者は金を手に入れるために抗う選択肢を選ばなければならない。

必死になって掴まなければならない。


なにせ、金ってヤツは、


【金が物言う】

(金で買えないものはあるが、金があれば大抵の事が補える)

【地獄の沙汰も金次第】

(地獄の裁きは金を握らせれば上手くやってもらえる、金で思い通りになる)

【阿弥陀の光も銭次第】

(仏のご利益はお供え物の金額に比例する、だがら金の力は凄い)


なのだから。


金に、


【銭ある時は鬼をも使う】

(金の威力は例え鬼であってもいう事を聞かせられる)


というチカラがあるのだから。


もし、金が無くなろうもんなら、


【金の切れ目が縁の切れ目】

(金がある時に慕っていた者も、金が尽きれば“手のひら返し”で見向きもしなくなる)


【愛想づかしも金から起きる】

(親しく交際していた相手から愛想を尽かされたり、見捨てられる場合の原因は金から始まる)


といった憂き目にあう。


金とは、おそろしいモノなのか……最強のツールなのか……

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