裏与太

其乃日暮ノ与太郎

母国アスリート

 グローバル化した現在、日本人アスリートがオリンピックやワールドカップなどの国家とスポーツが結びついたナショナリズムを擁するイベントに出場する機会を多く目にする。

日本人アスリート? 誰の事?


 幼少期に一家揃って日本からアメリカへ移住したアメリカ人の父と日本人の母のもとに生まれ、日米の二重国籍を持つ選手が、本当に【日本を代表する選手】なのだろうか。

この国の言葉を使って話す日本語の事を、『母国語』という。

インタビュー時に日本語でしゃべれず通訳を介していているのに、母国語を話す日本人っコトになるの?


 次は、ハーフ。

あるスポーツキャスターが、父親ガーナ人、母親は日本人の選手や、ジャマイカ人の父親と日本人の母親の血を継ぐアスリートのポテンシャルを、

「その日本人離れした身体能力だ」という。

更には、「ハーフアスリート特有のストロングポイント、長い手足と筋肉のつきやすい肉体、持って生まれた身体能力のおかげである」という。

その言い方をとれば、日本人から離れちゃってるじゃん。

純粋な「アジア人のDNA」だけで偉業を成し遂げてないじゃん。


 お次は、日本に帰化した選手が代表に選ばれた、というニュース。

帰化するには法務局に帰化申請時、日本の小学校2~4年生程度の日本語の読み書きテストが行われ、取得には、


(国籍法5条1項1号)

帰化の申請をする時まで、引き続き5年以上日本に住んでいること


が条件。

え?在住5年?それで日本代表選手?


 更に、よその国。

スポーツ選手の国籍問題は年々深刻化しているらしい。

国際オリンピック委員会(IOC)は帰化選手に関して、国籍変更後3年間は新しい国の代表になることを認めておらず、公平性を保つために代表入りするまでに一定の期間を設ける規定になっているが、

米紙ニューヨーク・タイムズの報道では、リオ五輪(2016年)の卓球選手172人のうち、少なくとも38人が中国生まれで、米国代表に至っては男女6人のうち、5人が中国生まれだったという。

中東ではサッカーや陸上の帰化選手が増加していて、世界中ではアフリカや中国選手が国籍を変更するケースが横行し、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランスなどの選手として出場しているのは、実は他国出身の人だということが多い。


 今までに挙げた私の記事は、長らく鎖国をしていた単一民族、単一文化を不必要に尊重する日本人特有の島国根性に起因する発言かも知れないが、

ここまで言い放ったのは、この国を愛しすぎているからなのかも。


あと最後に。

「タイムア~ップ。日本代表ぉ~~、これでオリンピック(ワールドカップ)○○年ぶりの出場が決まりましたぁぁ~~~」

は?そりゃそうかも知れないが、大げさに経過年数を言うんじゃなく、

大会自体が4年に1回なんだから、「〇大会ぶりの……」って言えやっ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る