にらめっこ

ある日、夫とにらめっこ。

とても大事な話をしながらにらめっこ。

夫は言った。

もっと自分中心に考えればストレスが減るよ。

私は思った。

今まで自分を蔑ろにした結果、病気になったのに。

夫は続けた。

他の人じゃなくて、どうして自分を一番大切にしてあげないの。

俺の一番大事な人を苦しめないで。

私は涙が出た。

どうして、そんなに私を大切にしてくれるのかと。

夫とにらめっこの勝負は五分五分。

私の敗因は、貴方が私を大切にしすぎるから。


今までずっと二番だった。

恋に落ちた。その人には交際している人がいた。

家庭を持つ人もいた。

「割り切った関係ならいいよ」「二番目なら考えてあげる」

口に出していない告白に勝手に返答がある。

私の意見を問われることはない。

二番目ならいらない。誰かの一番になりたい。


やっと一番になったのに。

いつも私は貴方を苦しめてしまってごめんね。

私も、わたしと上手く付き合って生きれないの。

今日はよかった。嬉しいけど明日は?

明日を心配して、また天井とにらめっこ。

きっと明日の夜も明後日の夜も、天井とにらめっこ。

少し目を閉じて、また開いて、白い壁紙にそわそわする。

貴方が私を選んだ人生を悔いる日が来るんじゃないか。

もしも、私が天井とにらめっこすることに飽きて

天井に話しかけるようなことがあっても

悔いることなんてない、って本当に言える?

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