第32話 一言でまとめると『色々アウト過ぎるわwww』


 なんと言えば正解だったのかは分からない。


あの時、なんて言葉を掛ければ良かったのか


例え、今、その言葉を思いついたとしても、もう遅い。


もう、言葉を掛ける事すら出来ないのだから。


正直にこのプランを話せば良かったのかもしれない。


なんで、話せなかったんだっけ。


あ、そっか、ショックがでかすぎたんだ。


それもプランの内だったのに、自分の悔しさの感情に打ち負けてしまったんだった。


そんな事を考えながら、もやもや考えながら八木教授は、ふらふらと雨の中の繁華外を歩いていた。


意識はもうろうとしていた。


目の前から歩いてきた酔っ払いの中年サラリーマンと肩がぶつかる。


意も介さず、ふらふらと立ち去ろうとする八木教授を酔っ払いの中年サラリーマンは八木教授の肩を掴んで止めた。


酔っ払い「おいてめえ!人にぶつかっておいて謝らねえのか!?」


八木教授「え。あやまんジャパンがなんだって、、、」


酔っ払い「ぽいぽいぽいぽぴー!じゃねえよ!ぶつかったんだから謝れって言ってんだよ!」


八木教授「悪いが、今は、あやまんジャパンの時代じゃなくて、キングラビッツの時代なんだ。ちょっと、これから海に行くから、後にしてくれ」


酔っ払い「何いい波乗ろうとしてんだよ!!!キングラビッツじゃねえよ!謝れって言ってんの!」


八木教授「わりい。やっと目が覚めたわ。すまん」


酔っ払い「お、おお。最初から謝れよ」


八木教授「一つ気になったんだが。どこで飲んでたんだ?」


酔っ払い「え?どこでもいいだろ!?」


八木教授「いや。今、22時半だし、まん延防止法で、営業時間時短しているはずだから、この時間までやっているお店は、、、」


酔っ払い「お、お、お、まさかお前、、、やめてくれ!俺の憩いの場所を奪わないでくれ!!」


八木教授「冗談だよ。今の時間は、役所もやってないしな。明日の朝の電話が楽しみだな…」


酔っ払い「ぴえん!!」


虚ろな目で酔っ払いに対して言葉を吐き捨てた八木教授に、気味の悪さを感じたのか、酔っ払いは走って逃げだした。


八木教授「急に絡んできたのに…お前のノド全然潤ってねえじゃん…」


逃げ出してゆく酔っ払いの背中に八木はぼそっと追撃の台詞を吐き捨てた。


再び、虚ろな目で繁華街をふらふらと歩いて、八木教授は、とある場所に辿り着いた。


ピンク色の看板に書かれていた店名


『ピン○ロ A○B』


ピンク色の看板のネオンに誘い込まれて八木教授は、ふらふらと店内に吸い込まれていった。


八木教授「田中がもし、いたら、『色々アウトだよ!!?』ってツッコまれていたのかな…はは…」


八木教授は、ぼそっとか細い声で呟いた。


つづく








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