蒼空の守護

背景&登場人物

背景

この物語の舞台となる蒼の国は、古来より蒼神の子孫とされる一族によって帝王の座が受け継がれてきた。時とともに王と王国民の立場は様々な変化を遂げたが、帝位が空位になることはかつて一度もなかった。現在は政治自体は議会民主制をとるが、軍は王族が握り、上級文官王族が最高指揮権を握るという議会王国軍体制をとる。蒼総諸島が先々帝により統一されてから百十余年、宮家間の軍拡競争、対立がありながらも戦いのない平穏な日々が続いていた。

登場人物

～蒼の国・王族～

メル(守宮) もりのみや

本作の主人公。望宮家の第3王女。王族最難関の学校「王将学校」を史上最速の3年で通り抜けた才女で、その能力を買われて「最南鎮守宮(さいなんちんじゅのみや)」となる。その指揮能力は卓越したものがあるが、「最南一の翼」と呼ばれる空戦技術も持っている。17歳。

テア(煌宮)きらめきのみや

希宮家の第1王女。メルとは幼馴染であり、又従姉妹(はとこ)にあたる。王族きっての美人で王国民からはアイドル的な扱いを受けている。父の自殺によって弟とともに叔父の統宮に育てられた。メルにとって唯一無二の親友である。宮中を揺るがしかけた「大事件」により15歳でわずか5歳の成帝の次男二宮に嫁いだ。18歳。

ラディ(護宮)まもるのみや

望宮家の第2王子にして、メルの兄。王将学校を卒業したエリートであり、空母「飛雲」の艦長。同時に第6艦隊の司令官である。暴走、乱暴を繰り返している兄のラヌイに変わって望宮の次期当主になることを期待されている。23歳。

イーレ（華宮）はなのみや

メルの妹。家庭菜園が趣味である。12歳。

ネメ(知宮)とものみや

メルの妹。6歳。

リリル(希宮)まれのみや

現希宮家の当主でテアの弟。初代希宮イルストルの嫡流にあたる人物であるため、希宮家の簒奪を目論む統宮に命を狙われている。14歳。

ジラーニィ(望宮)のぞみのみや

望宮の当主にして、メルの父。王族のエリート学校である王官学校に通った人物なだけありとても頭の切れる人物。女好きで有名で、妻子が沢山いる。正室との子はラヌイだけであり、後は全員庶子である。47歳。

ラヌイ

望宮家の第1王子にしてメルの兄。不出来な王子として有名であり、メルやラディとは対照的な扱いをされている。王族の名を盾に好き放題しており「望宮家の恥」と呼ばれている。26歳であるが、どの王族学校も出ていない。しかし正室の子、長男であるため望宮家の中でも蔑ろにはできない存在である。

ルブルム(緋宮)あけのみや

統宮の同母妹であり、望宮の正室。夫婦仲は険悪だが、統宮への配慮より同じ家で暮らしている。47歳。

ティーダ(統宮)すべるのみや

望宮の従兄弟で、テアの叔父にあたる。上級文官の最高職である「蒼侯」の次期候補の2人の内の1人であり、成帝の弟である雲宮とその座を争っている。テアと弟の希宮を引き取って養育した。テアが15歳の時、テアに婚姻を迫って「大事件」を起こした。南海事件を契機に自らの権力掌握を目指して動き出す。52歳。

ジビド

統宮の王子。王将学校時代の経験から、メルを嫌悪している。エリートに大きな敵愾心を持っている。24歳。

リベア(充宮)みつるのみや

統宮の長男。母の身分が高くないため後継者から除外されている。27歳。

アリスト(糾宮)ただすのみや

統宮の王子。旧貴族の血を引く母を持つ。22歳。

ルフレ(輝宮)かがやきのみや

統宮の第7王女。末っ子である。わずか8歳にして王太子である一宮に嫁いだ。テアと父の過去を知らず、テアとは義姉妹であり、姉のように慕っている。11歳。

テミル(雲宮)くものみや

成帝の弟でイスカの父。先帝の第2王子である。統宮とは王官学校時代の同期で、対立関係にある。テアが二宮との婚姻を願い出た時、これを支援した。52歳。

イスカ(空宮)そらのみや

雲宮の第2王女。卓越した空戦技術は正に「空宮」の名に相応しく、メルの先輩である。現在は飛雲艦隊の副司令官、飛雲航空団司令を務める。22歳。

ラーダ(賢宮)かしこのみや

先帝の末弟で、現蒼候である。成帝にとっては兄のような存在であり、病床の成帝に変わり通常の公務を行うこともある。名実共に王族の最高権力者だが、王族きっての平和主義者でもある。先帝の遺言である「領土不拡大」の遺言を忠実に守っている。71歳。

フラール(誓宮)ちかいのみや

賢宮の第1王子。一人息子である。父の名前で無理やり王将学校を通り抜けた人物であり、能力は非常に凡庸であるが、生まれと政治的関係から王国軍のトップである「連合候」に据えられている。しかしその内実は、父賢宮の指令を認めるだけの役割であり、影で「頷宮(うなずきのみや)」とあだ名される。ロリコンである。43歳。

ゾビン(強宮)つよしのみや

第二艦隊の司令官。在任期間が長く、部隊の結束は固いが旧型艦が多い。54歳。

成帝

蒼の国の帝王。長い間子供が出来なかったため、子を作るために多くの妻を持った。55歳の時に一宮、58歳で二宮と待望の王子に恵まれたが、謎の病に倒れ、病床で公務を行うようになった。66歳。

一宮

成帝の第一王子。11歳。

二宮

成帝の第二王子。テアの夫。8歳。

～メルを支える人々(守宮麾下)～

アブエロ

メルの祖父。母方の祖父にあたる。メルを産んですぐに亡くなった母・ナナに代わり、長年親代わりをしてきた。すでに高齢であるが、メルが最南鎮守宮に着任、始めて軍を作る際その建設に大きく貢献した。メルの側近中の側近であり、「じい」と呼ばれ大きな信頼を寄せられている。70歳。

ノノウ

メルの参謀。身体能力が壊滅的だった為、将兵養成学校に何とか入るも進級に苦しんでいたが、メルにその才能を見込まれ参謀に抜擢された。南海事件以降、最南鎮守宮の作戦案はメル、アブエロ、ノノウの3人で作られることになる。16歳。

スィラ

最南鎮守府第1飛行隊の隊長。メルや新米の兵士を軽視している。41歳。

フェデルタ

最南第2飛行隊の隊長。37歳。

ゼーメン

最南鎮守府第1飛行隊の副隊長。スィラが最も信頼する部下。隊の中では最年長である。62歳。

ケアス

最南第1飛行隊の小隊長。最南鎮守府に来て直ぐに小隊長となったばかりである。25歳。

ズーマ

最南第一飛行隊の小隊長。戦場で戦うのが夢である。27歳。

テメン

紫雲航空整備隊の隊長。

ダルヤ

最南海上警備隊の隊長。

マトキス

最南島の陸軍司令官。アブエロの甥である。

リブリ

最南島の島長。

アスター

最南陸上警備隊の隊長。

ワーレン

最南海上警備隊の副隊長。感情がすぐに顔に出る。45歳。

イニオム

潜水艦SO9の艦長。

～その他の人々～

ナナ

メルの母。望宮の側室となったが、メルを産んですぐに死去した。

セレム

望宮の側室。

リノ

望宮の側室。

レイシア

望宮の側室。24歳。

クツク

飛雲第一航空隊の副隊長。

グラーファ

統宮家の老執事。

ジェファリ

雲宮の部下。

～翠の国・王族～

優王

翠の国の王。黒の国に攻めこまれ、王都・翠都を追われた。

テノン

優王の姫。「黒の国」に国を追われ、戦艦・リプトスに乗艦し北の大地を目指す。17歳。

～リプトスの乗組員たち～

ラルバ

リプトスの艦長。優王からテノンを託され、北の大地を目指すことになった。

ハバク

リプトスの副艦長。

ウェルタ

翠の国の重臣。長い間優王を支えてきた。今はテノンに仕えている。

～黒の国～

ミューザ

黒の国の女王。南の大陸を制圧し北上。翠の国を併合する。テノンを追いかけ蒼の国を発見、次なる侵略目標にする。とにかく暴虐であり、彼女に気に入られないと殺される。