03 雪がとけるとき



 できることなら、あたたかな太陽の光でとかしてもらいたかった。

 それが叶わないなら、雪の重みで私自身を押しつぶしてしまってもよかった。


 それなのに、まさか濁り凍てついた水たまりに投げ込まれる事になるとは思わなかった。


 優しい優しい私のご主人様は、危険思想の持ち主だと判断されてたらしい。


 人間はみな平等。

 という考え方は、他の人達にはうけいれられなかったようです。


 あの方は、同じ貴族の人達に目の敵にされていました。


 そして、その日、決定的な事が起こったのです。


 屋敷に火を付けられ、油をなげこまれ、私達は逃げ惑う事しかできませんでした。


 

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