11話 森本からの言葉
生徒会室に向かう途中で斎藤さんが
「先ほどの人たちは、どちらが彼女さんですか?」
「どっちも友達だよ。二人とも俺にはつり合わないからね」
「お二人さんどちらも美人でしたもんね。でも一ノ瀬くんもイケメンの部類ですよ?」
「お世辞でもそう言ってくれると嬉しいよ」
「お世辞じゃないのですけど...」
最後の言葉が聞き取れなかったが、キリのいいところで生徒会室に着いた。中に入ると会長がいて
「「お疲れ様です」」
「お疲れ様」
「大輔くんと優花くんには、今日から文化祭担当部門の仕事に取り掛かってもらうよ」
「「はい」」
会長の話が終わるとすぐに部門担当の先輩に話しかけに向かう。
「食品・展示部門担当になりました。1年の一ノ瀬大輔です。よろしくお願いします」
「私は橘楓。宜しくね、一ノ瀬くん。じゃあ早速だけど仕事に取り掛かるよ」
「はい」
俺と先輩で仕事に取り掛かる。仕事内容は食品部門の方だと、便の調査と食品に何を取り扱っているかを確かめる。展示部門の方だと予算5000円まで学校から出資できるので、その内容を展示を行うクラスと部活に説明会で言う。
俺は展示部門の説明会を行う資料を作り始める。資料作りと同時並行で、空き教室の使用許可書を生徒会担当の先生に提出する。
「一ノ瀬くん。順調に進んでいる?」
「はい!」
「ならよかった。キリがいいところで切り上げていいからね。後わからないところは私に聞いてね!」
「ありがとうございます。」
俺は資料作りを2時間ちょっとで終わらせたので帰宅する。帰宅途中にシャルロットから話があるから私の家に来てとチャットで送られていたので、5時過ぎ頃にシャルロット家のインターホンを押す。するとシャルロットが家から出て来て
「中に入ってください」
「お邪魔します」
シャルロット家に入る。初めて入るな。外から見ただけでも大きいけど、中に入るとそれをさらに実感した。女の子の家に入ること自体初めてなのに、シャルロットは自室に案内を始めた。部屋に入ること自体レベルが高すぎると思った。それに俺は前、シャルロットが俺の部屋に入ろうとしたときに断ったので、今回もそのことを言おうする。だけどそのことを言う前に無理やり部屋に案内されて部屋に入る。すると
「やっと来たね。だいくん」
部屋には森本もいて2人きりじゃないことに残念感を感じながらも、気になっている女の子2人と一緒の部屋に入れることに喜びもあった。
「あーうん。それでどうしたの?」
「今日の朝3人で話そうって言いましたよね? 生徒会の女の子の事について聞こうと思いまして」
「そのことね。普通に知り合ったばかりの子だよ。特に何にもないしね」
「ふーん。夏休み前に彼女は作り気はないって言ってたけど?」
「彼女とかそう言うことで見てないから!」
俺がちゃんと納得をしてもらえるように言うと
「そっか。ならいいけど」
森本とシャルロットが俺をまだ信用しきれてないような目で見てくる。
「まあこの話は終わりにしましょう。結衣ちゃんから呼び方の経緯も聞きましたし、今日は特にやることがないのですがゲームでもしますか?」
「森本がいいっていうならやろうか」
「じゃあ決まりだね」
3人で遊ぶ内容が決まり、マリ〇カートを始める。ゲームは楽しいけど女の子の部屋で、男1人女2人でゲームをやるのは緊張する。ましてや俺が気になっている女の子の2人だ。だけど遅くに来たのでゲームをやる時間も少なく、すぐに帰宅の準備を始めた。
「駅まで行かなくちゃだからバイバイ」
森本が俺たちに言ってきたので
「駅まで送るよ。夕方だし何があるかわからないから」
するとシャルロットも
「私も行きます」
「悪いけど二人は守れないかな。だから家で待ってて」
すると森本が
「まって。別に近いから大丈夫だよ。迷惑とかかけられないし」
「俺は迷惑と思ってないし、俺が送りたいと思ったから送るだけだから気にしないで」
「そう...。ありがと」
シャルロット家を出て、二人で駅に向かう。特別な話もしないで駅に着くと森本が
「ここまでありがとう! 4月の時に振っちゃったけど、今はだいくんの事ちょっと気になってるんだ! だから私のことを少しでもいいから見てくれると嬉しいな! バイバイ」
森本が走って駅に向かっていった。俺の事が少し気になっている? 話の内容的に恋愛感情としてだよな。俺は少し舞い上がった。だけど森本とシャルロットの2人を気になっている時点で今はどちらと付き合うことはない。ちゃんとけじめはつけなくちゃな。
俺はそんなことを考えながら家に帰り、就寝した。
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