★付録★ Episode4-B『勇者テオ』 その他に考えていたエンド(ボツ案)
ご覧いただき、ありがとうございます。
今月のEpisode4-A『勇者トリスタン』とEpisode4-C『戻らぬ息子』については、初めから終わりまで割とスムーズに、筆は一本道を進んでいきました。
しかし、Episode4-B『勇者テオ』については、その他のエンドへの道を行ったり来たり、ごちゃごちゃ迷っていたのです。
本ページでは、その他に考えていたエンドをご紹介します。
つまりは、ボツ案です。
ボツ案では全て、テオが脱獄するなり何なりして、”1人で”この世の地獄以上に無惨な光景となった故郷に駆けつけています。
【ボツ案1】
たった1人生き残ったマヤと強く抱きしめ合うテオ。テオは、マヤとともにどこか遠い国で暮らす決意をする。青い空を見上げたテオは、この先、何があってもマヤだけは守ると、殺された母や村人たちに誓う。空には、母の化身とも思える白い鳥が飛んでいた。
⇒ わずかな救いエンド
【ボツ案2】
生き残ったマヤを連れて、焦土と化した故郷から旅立とうとしたテオ。しかし、火事場泥棒目的のならず者の集団がやって来た。愛らしいマヤを奪おうとした奴らと戦うテオであったも、多勢に無勢で追い詰められてしまう。「私たちも皆の所に行こう」と言ったマヤを抱きかかえテオは、崖から身を投げた。
⇒ 絶望の心中エンド
【ボツ案3】
テオは、ならず者の集団にマヤの目の前で殺害されてしまう。ならず者に連れ去られた10年後のマヤは、絶世の美人&権力者をも手玉にとる高級娼婦となっていた。故郷の者たちを殺され、自分の運命までをも狂わせた”全ての者”に復讐せんとしているマヤの前に、ついに”王妃の末の息子”(※)がお忍びで娼館に現れた。
※ 王妃には長女のエブリン王女だけでなく、他にも数人子供がいるという設定でした。
⇒ 復讐の第二幕エンド
【ボツ案4】
互いの無事を知り、抱きしめ合うテオとマヤ。その時、テオが”制圧したはずの魔王の声”が聞こえてきた。魔王は完全に消滅してしまったわけでなく、人間たちの世において魔王の自分ですらドン引きするほどに鬼畜な所業が行われていることを感じ、蘇りつつあった。魔王がテオに言う。「お前の大切な者を奪った者たちが憎いだろう? 復讐したいだろう? 我の手を取るがいい」と……
苦悩するテオがどちら(魔王の手を取るか、取らないか)を選ぶのか作中で明記しないまま、物語は終わる。
⇒ 魔王復活は勇者テオの手に委ねられしエンド
そして結局、以下のエンドとなりました。
【採用】
エブリン王女&護衛たちとともに故郷へと馬を走らせたテオ。しかし、テオが牢屋を出発した時点で、大虐殺はすでに終わった後であった。エブリン王女もそれを知っていた。
皆殺しかと思いきや、たった1人マヤだけは生き残っていた。
マヤの生存を目の当たりにしたエブリン王女は、彼女に対する嫉妬(おそらく美貌と存在の両方に対する)と、王妃譲りの激しい気性と残虐性を露わにする。
護衛たちにマヤを押さえておくように命じたエブリン王女は、テオの目の前でマヤの顔に向かって石を振り下ろす。
⇒ 王妃もエブリン王女も怖すぎエンド
【裏話】
当初、エブリン王女には名前を付けてはいなかったうえ、冒頭(テオの1回目の帰郷シーン)にのみ登場予定でした。
しかし短編ですので、ボツ案2&3&4のように登場人物を無駄に増やすよりかは、冒頭シーンにすでに登場していた人物を動かそうと思いました。
物語中盤にて、王妃(エブリン王女の母)が、テオの母を処刑という名目の元、拷問の末に殺害します。
その殺害方法は、石投げ、顔を焼き、四肢切断、油壷の中で焼き殺すといったものでした。
よって、王妃譲りの残虐性を持つエブリン王女も”まずは”石を使って、まだ年端もいかない子供の顔を叩き潰す、という地獄の獄卒も真っ青な行動に出ます……
Episode4の付録をお読みいただき、ありがとうございました。
今月5月のEpisode5も頑張ります。
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