朝から夜の日

世界はあともう少しで終わるらしい。だからどうしたのよ。そうだったらいいな。それな。

乱暴にiPhoneを充電器から引き抜いた。ぶちっと嫌な音がしたから、慌てて充電口を擦って無かったことにする。

まだ四時だ。


あなたのリツイートを誰かがいいねしました、なんて、吐くくらいどうでもいい通知が、申し訳なさそうに覗いた。


昨晩の夜更かしの鬱憤は、ストーリーに淀みなく組み込まれていた。


やっぱり眠たくって、ベッドにiPhoneも体も頭も思考も投げ捨てる。


好きな漫画も本も絵本も、氷河期の来た地球最後の日に、燃やします。薪がわりにくべます。

そしてかじかみ赤くなった手を、燃え盛る本にかざしながら、人の顔をみる。

きっと、それは、痛ましいぐらい美しいな。


凍る息を吐き出し、私のHPみたいに減っていくバッテリーを、貸して、と氷のような手で暖めてくれた君の横顔が忘れられない。

耳の赤くて鼻が高い、不細工な横顔。


地面にへばりついた吐きたてのゲロを足裏で擦る

息を吸いたいからと顔をぐいと上げる


三月にふる雪を口に入れたら、空の向こうは星だった

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