朝から夜の日
世界はあともう少しで終わるらしい。だからどうしたのよ。そうだったらいいな。それな。
乱暴にiPhoneを充電器から引き抜いた。ぶちっと嫌な音がしたから、慌てて充電口を擦って無かったことにする。
まだ四時だ。
あなたのリツイートを誰かがいいねしました、なんて、吐くくらいどうでもいい通知が、申し訳なさそうに覗いた。
昨晩の夜更かしの鬱憤は、ストーリーに淀みなく組み込まれていた。
やっぱり眠たくって、ベッドにiPhoneも体も頭も思考も投げ捨てる。
好きな漫画も本も絵本も、氷河期の来た地球最後の日に、燃やします。薪がわりにくべます。
そしてかじかみ赤くなった手を、燃え盛る本にかざしながら、人の顔をみる。
きっと、それは、痛ましいぐらい美しいな。
凍る息を吐き出し、私のHPみたいに減っていくバッテリーを、貸して、と氷のような手で暖めてくれた君の横顔が忘れられない。
耳の赤くて鼻が高い、不細工な横顔。
地面にへばりついた吐きたてのゲロを足裏で擦る
息を吸いたいからと顔をぐいと上げる
三月にふる雪を口に入れたら、空の向こうは星だった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます