第6話『頼子にとって取るに足らない事実』




今日も頼子と美住はコーヒーショップで

作戦会議をおこなっていた。





「美住、知ってると思うが・・・ストーカーって犯罪だぞ」





沈黙





「知ってるよ?」





絶対に黒峰君に『気づかれないよう』にしてるし

嫌がらせなんてもっての外





「美住・・・スマホ貸してみ?」







なんで?




「まさか、写真とか撮ってないよな?」




ととと・・・撮ってないよ・・・



美住は視線を逸らし

冷や汗をかいている




(撮ったのかよ)


確認したところ

それは酷い手ぶれ写真で顔の判別もつかないモノだった。



「消さないで、それだけは!」



「・・・」







$$$








次の日の放課後、

頼子は白馬目当てのギャラリーに混じってテニス部の練習を見に行く。



美住も廊下を行き来する時、それとなく

練習を眺めている。




それにしても




美住の監視の仕方が『プロ工作員』のそれなんだが、完璧過ぎて引くわ





これじゃあ、黒峰が鈍感とかいう以前の話だ。




歯がゆい

なんとか気づかせる所までもっていきたい





(なんなら、いっそ、美住のために動いてしまうという手もあ・・・)





!?






凄い威圧を背中に感じる。

視線の先、美住が圧プレッシャーを放っている。



(頼子ちゃん、勝手な事したら、わかってるよね?)





気取られた!?




怖ぇ





その圧、黒峰にかけろよな







$$$








あーホントどうするかねぇ




頼子は黒峰を無意識に眺めながら

違和感に気づく。




ん?



黒峰のあの目線の切り方・・・

美住のソレに似てるな・・・



ということは・・・

目線の先の人物




白馬?




いやそれはないか



・・・舞浜か・・・




・・・




頼子は面倒な事に気づいてしまう




まぁ問題ない




奴に好きな奴がいようとも

美住に告られてOKしない男子なんていないからな


がはは





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