2021年12月11日 16:26
泣いた男への応援コメント
Twitterからきました、オレンジの金平糖です。読ませていただきました。とても面白かったです!_____________________________ 最初から空気がしっかりあって、世界観が言葉全てから伝わる。雰囲気の出し方がとても上手い。独特の世界観を持つ小説ではセリフの言い回しで雰囲気を損ねてしまうことがあるが、この作品ではそういうことが全くない。セリフという点では人物(人ではないものもここにまとめさせていただく)の書き分けがしっかりしていて、誰が話しているか、その人はどんな人なのかがすぐにわかる。書き分けの仕方が陳腐ではないため、その人物がほかの何に似るでも抽象化されるでもなく存在している。 一貫して言葉選びが美しく、形容の仕方に何度も感嘆した。 また、大蛇の声の表現で「青銅の巨大な鐘を鳴らしたように」という比喩を用いていた。読者の心を現代のスマホ画面のこちら側に移さずに理解させる、良い比喩だと感じた。 盂蘭盆のシーンは、読んでいて恐怖の対象が本当に辺りを埋め尽くしているように錯覚させられた。声が止んでからの、あたりを伺うような丁寧で静かな描写に思わず私まで息を潜めてしまった。「馬の足音が聞こえた……だがやんだ。剣を〜」という部分。一度でも魅力ある書き方だが、これが二回出てくることでさらに作品のレベルを高めていると感じる。読者を作品のリズムに巻き込むという効果に加え、二回目では一回目に感じた緊張感がよみがえり、それに二回目でプラスされたニュアンスの違う恐怖や緊張感が入り混じり、主人公の男の状況によりリアルな感覚で入り込むことができる。 男が刺されてしまうシーンから結末までの怒涛の追い込みで、私は文字通りまばたきを忘れてスマートフォンの画面をスクロールした。大蛇も男の助けになってくれるところが熱いし、男が笛を吹くシーンで心を打たれるし、冒頭から隠されていた九尾の狐を待っていた理由が明かされる。全てにおいて読者は物語に釘付けになる。盛り上げ方があまりにも上手い。 甘辛から中辛で、ということだったのでピリ辛なことも少し。まずものすごく細かいことになるのだが、「大蛇は心無しか目を細めているよう。蛇は決して目を閉じないというのに……。」というところは「男には大蛇が、心無しか目を細めているように見えた。蛇は決して目を閉じないというのに。」の方が流れとして読みやすく、それまでの文体と合うのではないかと思う。ここで少し違和感があったので。似たようなことでは、前半部分で、誰が誰に対して何をする(思う)、がわかりにくくなっている文も稀にあったため、一文の長さを無理に伸ばさずに適当なところで区切ってしまっても良いかもしれない。_________________________ 無駄な部分が一切なく、美しい描写と次々にやってくるハラハラさせられる展開が見事でした。この世界観をこれだけ表現できるというのはなかなか簡単なことではないと思います。素晴らしかったです。
作者からの返信
オレンジの金平糖 様感想ありがとうございます!恥ずかしながら生まれて初めて完成させた小説となります。今見ると拙いところも散見出来るので赤面のいたりですね。ただ昔に書いた初めての情熱からなのか、この世界観を気に入っていただける読者も意外におられるので、作者としてもこの初心を忘れずに執筆していきたいと思ってます。感想嬉しかったです。
泣いた男への応援コメント
Twitterからきました、オレンジの金平糖です。読ませていただきました。とても面白かったです!
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最初から空気がしっかりあって、世界観が言葉全てから伝わる。雰囲気の出し方がとても上手い。独特の世界観を持つ小説ではセリフの言い回しで雰囲気を損ねてしまうことがあるが、この作品ではそういうことが全くない。セリフという点では人物(人ではないものもここにまとめさせていただく)の書き分けがしっかりしていて、誰が話しているか、その人はどんな人なのかがすぐにわかる。書き分けの仕方が陳腐ではないため、その人物がほかの何に似るでも抽象化されるでもなく存在している。
一貫して言葉選びが美しく、形容の仕方に何度も感嘆した。
また、大蛇の声の表現で「青銅の巨大な鐘を鳴らしたように」という比喩を用いていた。読者の心を現代のスマホ画面のこちら側に移さずに理解させる、良い比喩だと感じた。
盂蘭盆のシーンは、読んでいて恐怖の対象が本当に辺りを埋め尽くしているように錯覚させられた。声が止んでからの、あたりを伺うような丁寧で静かな描写に思わず私まで息を潜めてしまった。「馬の足音が聞こえた……だがやんだ。剣を〜」という部分。一度でも魅力ある書き方だが、これが二回出てくることでさらに作品のレベルを高めていると感じる。読者を作品のリズムに巻き込むという効果に加え、二回目では一回目に感じた緊張感がよみがえり、それに二回目でプラスされたニュアンスの違う恐怖や緊張感が入り混じり、主人公の男の状況によりリアルな感覚で入り込むことができる。
男が刺されてしまうシーンから結末までの怒涛の追い込みで、私は文字通りまばたきを忘れてスマートフォンの画面をスクロールした。大蛇も男の助けになってくれるところが熱いし、男が笛を吹くシーンで心を打たれるし、冒頭から隠されていた九尾の狐を待っていた理由が明かされる。全てにおいて読者は物語に釘付けになる。盛り上げ方があまりにも上手い。
甘辛から中辛で、ということだったのでピリ辛なことも少し。まずものすごく細かいことになるのだが、「大蛇は心無しか目を細めているよう。蛇は決して目を閉じないというのに……。」というところは「男には大蛇が、心無しか目を細めているように見えた。蛇は決して目を閉じないというのに。」の方が流れとして読みやすく、それまでの文体と合うのではないかと思う。ここで少し違和感があったので。似たようなことでは、前半部分で、誰が誰に対して何をする(思う)、がわかりにくくなっている文も稀にあったため、一文の長さを無理に伸ばさずに適当なところで区切ってしまっても良いかもしれない。
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無駄な部分が一切なく、美しい描写と次々にやってくるハラハラさせられる展開が見事でした。この世界観をこれだけ表現できるというのはなかなか簡単なことではないと思います。素晴らしかったです。
作者からの返信
オレンジの金平糖 様
感想ありがとうございます!
恥ずかしながら生まれて初めて完成させた小説となります。
今見ると拙いところも散見出来るので赤面のいたりですね。
ただ昔に書いた初めての情熱からなのか、この世界観を気に入っていただける読者も意外におられるので、作者としてもこの初心を忘れずに執筆していきたいと思ってます。
感想嬉しかったです。