本当に大切なものは目に見えない!!
婆雨まう(バウまう)
言葉より物より大切なモノ、それは心!!
第1話 人は何故、スポーツをするのか?
かつて、ゴルフをこよなく愛した小生としては、宮里藍ちゃんの引退は、とても寂しく、後ろ髪を引かれる思いで、いっぱいです。引退とはいえ、新たなる門出。おめでたいことだとはいえ、彼女の勇姿を見れないのはつらい。
箱根まで、宮里藍ちゃん、諸見里しのぶプロを追いかけて朝4時に起き、女子ゴルフを観戦に行き、チャリティーで購入した、1枚500円の藍ちゃんの色紙が、ヤフオクで25000円で売れたときには、ほんと彼女の人気に度肝を抜かれました。
宮里選手の引退の理由は、【モチベーションを維持できなかったのが原因】とのことですが、31才での引退は、早咲きのバラの如く、散り際まで早く、ドラマチックで、鮮明な記憶として人々の心に奥深く刻み込まれました。
60才を越えても現役を貫き通すプロが多くいるなか、鉄人の彼女を疲労感が襲ったのでしょう。心が折れてしまっては、プロの世界で戦い抜くことはできません。
2010年に念願の世界一の称号を手に入れ、海外ツアーでも成功を手に入れた彼女には、もう欲しいタイトルが何もなく、貪欲な気持ちで戦いの場に出向くのが、きつかったのかもしれません。
かつて栄光を極めた、栄枯盛衰のタイガーウッズでさえ、最近は、スキャンダルにまみれ、ここにきて失速しているように見える。タイガー同様、彼女も、モチベーション維持の難しさについて、引退の場で一石、投じたかったのかもしれない。
さて、お話は変わりますが、今日、宮里選手関連の記事で、こんないい話、美談を見付けたので、せっかくなので、みなさんにもお披露目したいと思います。藍ちゃんは、父親の、ティーチング・プロ、優氏から、常にこの言葉を胸に抱いてプレーしなさいと教え諭されていたらしい。
【ゴルファーである前に人格者であれ】。この言葉は、ゴルフをたしなむ者にとって、とても重く、荒んだ私の胸に鋭く突き刺さりました。
やはり優氏も、優れた指導者、人格者なのでしょう。父親の優氏の指導方針は、【褒めて伸ばす】ことだそうで、スパルタ指導は決して行わず、少しでもできたことを褒めるようにして、次の課題を活かすことに重点を置いていたらしい。
練習を強要するのではなく、藍ちゃんが「テレビを観たい」と言えば、「じゃあ、その前に、100球、打ってみようね」と優しく言葉を返したそうです。
この【褒めて伸ばす】という教育方針は、私の教師時代の指導方針にもあてはまり、父親の優氏と私の教育理念が同じだったことに、とても共感を覚えました。
もう1つ、藍ちゃん関連の記事を読み、思わぬ収穫がありました。人は、なぜ小説を書くのかという答えが、そこに隠されていました。切り口は少し違っていましたが、私なりに解釈して、それを答えとさせていただきました。
優氏が藍ちゃんに向けた、はなむけの言葉…。
【ゴルファーの前に人格者であれ】。
そして、その言葉の真意、意図とは、【ゴルファーだから偉いのではなく、1人1人に人格者として接することこそが大事であり、ゴルフは、人格を高める道具、スポーツに過ぎない】という含蓄のある言葉へと続き、彼女を成功への方程式へと導き出します。私は、この言葉に再び胸を打たれました。
つまり1人の人格者へと成長する為、たまたま、ゴルフというスポーツを選択したに過ぎず、技術を磨く過程で、精神を鍛錬し、人格を高めることこそが、スポーツを楽しむ目的の神髄なのだということ。
スポーツを通して体幹を鍛え、スポーツを通じ、スポーツマン・シップを学ぶ。技術的なこと、忍耐、努力。チームメイトを信頼する心。負けを潔く認める心。
そう、もっとその先にある精神の鍛錬のほうが、スポーツを学ぶ上で大きいことに、父親の優氏は、きっと気付いて欲しかったのでしょう。これは、物書きにも同じことが言えると思う。
【小説を書く】という作業は、単に書きたいから書くというのではなく、本来、自分を高めるための道具として創作の場を機能すべきで、小説を書くから人様より偉いとか、上から目線で斜に構えるのは論外で、自分の成長、人格の形成を目的にすべきだということなのでしょう。
今までは、小説の技巧、プロモートの仕方、誤字脱字、評価やレビュー。目先のことにばかり気にかけていましたが、小説を書くという行為は、自分を高めるための道具に過ぎず、読者を幸せに導くためのもので、その為に小説を書くべきであり、所作を磨くためのプロセスだということを深く胸に刻みました。
宮里藍ちゃん、お疲れ様でした。宮里優氏、素敵なお話をありがとうございました。一段、階段を昇れたような気がします。
※参考文献、日刊スポーツ。元ゴルフ担当、現静岡支局長 柳田通斉様。
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