重力の心

重い

とても重い心があった

もしかしたら引っ張られているかもしれん

絞り取られているかもしれん

てのひらが、ぎぃと心臓を握る

そうしたら潰された果実のごとく

血が滴る

びちゃびちゃ音をたてながら

しかし心臓は落ちない

しかし心は落ちた

何回目か

何回目か

石のように、いや、重力の言うことを聞いていた

心が足枷になった

心臓から血が滴るから

心が赤く黒く

歩いてきた道に染みついている

重力の心は正しい

その正しさと冷静さと

心臓の鼓動と血と

生まれてきた心と

視界に広がる世界と重力と

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