Wiki冒険記 ~無知から始まり後に複数のサイトを巡ることになったタビト・フンヤによる、森羅万象への好奇心諸録~
第9話 イニャキ・アスクナ https://ja.wikipedia.org/wiki/イニャキ・アスクナ
第9話 イニャキ・アスクナ https://ja.wikipedia.org/wiki/イニャキ・アスクナ
医師出身の政治家というのは実はかなり多い。
このタイトルの人物も医者出身の政治家である。
彼はバスク民族主義党という政党に所属していた。
バスクはスペインとフランスにまたがる地域である。
この地域はバスク・ナショナリズムという強烈な、バスク人の国家を求める政治運動が存在する。
サスピアク・バット、という七つの地域を一つにしろというスローガンがある。
これを掲げてバスクは独立を望んでいた。
しかしながら、このバスク民族主義党はバスクの独立は求めず、周辺地域との調和を望む政党である。
この政党に、イニャキ・アクスナは属していた。
サラマンカ医学部で心臓学と放射線学を学んだイニャキ・アクスナは博士号を取得し、バスク大学の教授になった後に自治正津の事務総長になった。
このような特異なキャリアの人物が、その才能を十分に発揮したのは市長になってからである。
ビルバオはバスク、否、スペインで最も古くから存在していた街の一つである。
この街はバスクの中心地であり、港町でもある。
元来、鉄鉱石を算出していてスペイン北部屈指の鉄鋼業と詩となっていた。
しかしながら、産業構造の変化によってこの街の鉄鋼業は壊滅してしまう。
それを変えたのが、イニャキ・アクスナである。
イニャキ・アクスナはビルバオ市長となり、工業都市だったビルバオを観光都市として大きく変貌させた。
これは一つの歴史ある土地の産業そのものを変貌させたとして、奇跡の街と称えられた。
こうして、イニャキ・アクスナは世界市長賞を得たのである。
その死は、国王すら悼む偉大な市長であった。
了
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます