幕間

第69話 人物紹介 (其之一)

【リゼル騎士国】


斑目まだらめ 蔵人くろうど (乗騎:ベルフェゴール)


 現代社会に於いて無用な剣術を祖父より叩き込まれた青年、大学卒業後はごく普通のサラリーマンとして勤務していたものの、首都高を大型バイクで飛ばしていたら光る風に包まれてしまう。割と生真面目で堅い性格をしているが、こうと決めたら迷わない性格でもあり、皆からは発音しやすいのか“クロード”と呼ばれている。


 初期の騎体はディノ・セルヴァスとの決闘で勝ち取ったクラウソラス四番騎だが、騎士王となって直ぐに隣国の女狐殿から譲り受けた第二世代の騎体ベルフェゴールに乗り換えた。



★ レヴィア・ルミアス (乗騎:ベルフェゴール)


 リゼル騎士国の魔術師における名門ルミアス家の御令嬢、父親は王家に仕える魔術師長のブレイズである。快活な赤毛の少女であり、思ったことは包み隠さず口に出してしまう性格を持つ。クラウソラス四番騎付きの魔導士を務めている最中、騎体の専属騎士が代わるという出来事があった。


 職務の性質上、クロードと長い時間を過ごして、戦場では互いに命を預け合う関係から、親友のイザナには申し訳ないと思いつつも密かな好意を寄せている。



伊耶那イザナ・ヴァイスベル


 リゼル騎士国の先王が残した一人娘で、クロードと婚姻を結んだ清楚な黒髪少女。産後の病で母親を亡くした事もあり、姉代わりの王専属魔術師サリエル・アンデに育てられたが、父王の愛人と知ってからは距離を置いていた。


 その父王が国民のために戦って死亡した事により、覚悟を決めて騎士団長ゼノスに新王となる自身の結婚相手を選ばせる。以後の彼女は政略的な婚姻関係に留まらず、日々の暮らしが幸せなものとなるように務めている。



★ ロイド・ルナヴァディス (乗騎:ベガルタ)


 柳生新陰流の血筋に連なり、リゼル騎士国の剣術指南役を度々輩出するルナヴァディス家の跡取り息子。柔らかい物腰をした銀髪碧眼の優男なため、城内の若いメイド達や市井の娘達からの人気は高い。ただし、重度のシスコンなのが玉に瑕だ。


 祖先を辿れば同郷のクロードとは早い段階で打ち解け、相手が騎士王になってからも公式の場でなければフランクな言葉遣いで接している。なお、新王の技量や資質を認めている事もあり、妹を嫁がせようという考えは未だ捨てていない。



★ エレイア・ルナヴァディス (乗騎:ベガルタ)


 兄と一緒に第二世代の巨大騎士ベガルタを駆る銀髪碧眼の魔導士娘。ただし、重度のブラコンなのが玉に瑕だ。レヴィアやフィーネ、イザナの三人娘よりも少しだけ年下なので、彼女達のことを“お姉様”と称していたりする。


 割と知識欲が強いため、大好きな兄に纏わりついていない時は書斎に籠っているなど、インドア派の側面を持つ。なお、兄がクロードを認めているので、半自動的に彼女も一目を置いている。



★ ディノ・セルヴァス (乗騎:クラウソラスL型改“ガーディア”)


 第三代騎士王と共に戦場を駆け抜けた蒼の聖騎士の子孫であり、騎士の名門セルヴァス家の嫡男だが…… 周囲からの期待や家柄の名声が重荷となっている。当初は幼馴染のレヴィアと一緒にクラウソラス四番騎に搭乗していたものの、忽然と現れた稀人のクロードに立場を奪われてしまう。


 その経緯から再戦と勝利を誓うも、相手が騎士王となった事で微妙な関係が続いていた。ただ、個人的に好かない相手でも騎士としての忠義は尽くすべしと考えている。



★ リーゼ・フェルト (乗騎:クラウソラスL型改“ガーディア”)


 金髪緋眼と豊満な身体を持つ元準魔導士、面倒見の良い性格なので周囲からの信頼も厚い。大森林の戦いにてクラウソラス五番騎が大破し、操縦者達が戦死した経緯により、応急処置を施した同騎体の正規魔導士に抜擢される。その際に少し年下の藍髪の騎士ディノ・セルヴァスと出会う。


 手の掛かる弟のような存在で、心根は悪くないディノの事を気に入っており、ギガビートル討伐後には夕食とお泊りの誘いも受けていた。



★ ゼノス・ダンベルク (乗騎:クラウソラスL型一番騎)


 筋骨隆々なリゼルの騎士団長であり、副団長や魔術師長、先王と同世代の親友でもある。若い頃は先王の護衛騎士を務めていたが、度々王城を抜け出していた先王を止めず、一緒になって自由を満喫していた。


 現在は騎士達の育成に務めており、特に不肖の弟子であるディノには期待している。なお、初対面の相手は取り敢えず筋肉の量で判断する悪癖の持ち主。



★ フィーネ・ダンベルク (乗騎:クラウソラスL型一番騎)


 孤児だったところを魔術師長のブレイズに見いだされ、愛する妻を失って失意の中にいた騎士団長ゼノスと引き合わされた。最初はぎこちなかった親子だが、数年を掛けてお互いを理解し合い、今では歯に衣着せぬ物言いができる仲となった。


 因みに父親同士の繋がりもあって、イザナやレヴィアとは幼い頃からの親友で、二人からクロードのことに関して相談を受けたりしている。戦場では義父と共にクラウソラスL型に搭乗して、得意の土魔法“ストーンヘンジ”で皆を支援する。



★ ブレイズ・ルミアス


 リゼル騎士国の魔術師長であり、魔術の名門ルミアス家の現当主。先王に仕えて内政を取り仕切っていた文官の長でもある。それは新たな騎士王の下でも変わらず、不本意ながら国産騎スヴェルの生みの親と偽り、戦力増強計画を推進している。


 最近は一人娘のレヴィアが騎士王と良い感じで、側近として近くで仲良さげな様子を見せつけられるため、やきもきしているとか……



★ ライゼス・エッケハルト


 リゼル騎士国の副騎士団長で壮年の武人、卓越した槍術の使い手で彼に勝てる者は国内に少ない。親しい者達からすれば彼の“石橋を叩き壊して渡らない”ような慎重さや、武官と文官を兼任できる程の見識を評価しているが、本人は騎体適性が無い事を気に掛けている。


 先王や騎士団長とは若い頃からの友で、当時は暴走しがちな二人の手綱を魔術師長に丸投げしていたものの、新たな騎士王に関しては御目付け役を買って出ている。



石堂いしどう 琴乃ことの (乗騎:スヴェルS型一番騎)


 部活帰りに並行世界の地球へ迷い込み、サバイバル生活を強いられていた弓道少女。ざっくばらんに見えてリアリストな性格をしており、本当の意味で信頼を寄せているのは同郷の蔵人や宗一郎爺だけだ。


 強いて言えば自身を拾ってくれたディノやリーゼ、相棒の魔導士イリアなら信じても構わないかと思い始めている。乗騎は新たに製造された国産機スヴェルS型で、合わせて開発された騎体兵装の弓矢を扱う。

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