傾斜

うつつ半ばの無常に情を浮し

しげしげと眺め見る。

もう大分腐った眼差しは

空いた口へと注ぎ込まれると

たどたどしくアレを奏で始める。

掠り疼きも木偶の坊の

赤錆びた建具の間

二匹の它が若草に紛れ

青々とした縁は卵を孕む。

世界はだらだらと勾配を転がり

手足も撓る 懐刀に

汚穢も 枝垂れいるだけ。

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