第17章「罪の罰」その8
何で長く生きてる人は、あんなに偉そうなんだろう?
先生っていうのはどうも堅苦しい、自分の思い通りにならないとすぐ怒る。
そしてその大人はそれを調和という、まるで芸術家が自分の作品を自評するときの言い回しのように説明するだろう。
厳つさとプライドを兼ね備えた僕が最も嫌う大人だ。
こういう人はきっと社会にはたくさんいて、自分の意見と
そして、山寺や古谷のような大人にどんなに正当な意見を言おうが自分の非を認めさすなど不可能なのだ。
子どもの頃からこんな嫌な奴では無かったんだろう。
数十年と長い年月をかけて、こんな性格になったかと思うと、何だか世の中って恐ろしい。
あんな真面目そうなクソ親父でも家に帰れば
何だか世界情勢なんて取るに足らない問題に思えてきた。
チャイムが鳴り、ようやくこの地獄のような時間が終わったとホッとした。
しかし、まだ地獄は続いていた。
「今日は章末問題までいこうと思っていたが、間に合わなったので明日までの宿題にする。
明日の放課後、クラス委員が集めて、私の職員室の席に置いていくように」
古谷先生はそう言い残して、自分が描いた黒板の白文字も消さず、
緊張の糸が切れたのか、教室が一気にざわざわし始め、
古谷に対する愚痴が僕の耳からは聞こえなかったが、確実にそう思っていることは辺りを見渡せば察せられる。
それが良いことなのか、悪いことなのか、今の僕にはよくわからない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます