第80話 私は好きですよ?

「ほら快斗くん! 手、つなぎましょうよ❤️!」


「はは・・ ノリノリだな・・・」


「当然ですわ。私はあなたの彼女ですよ❤️?」


どうやら大変な役を買ってしまったらしい。俺は結衣の親に会いにいくもんだから、すっげえ緊張してんのによ。


「ほらっ! 照れないの❤️ チュッ💋」


結衣がいきなりキスしてきた。甘い感触が伝わってくる。


「ちょ、ちょっと待て・・ い、いきなりそれは・・・」


「快斗くんは嫌ですか❤️?」


「・・・じゃ、じゃあもう少しだけ」


そしてその後少しだけキスをしていた。結衣の唇は柔らかかった。

てかなんで俺、こんなところでキスなんかしてるんだ? 今から危険な場所に行くっていうのに。


「そういえば結衣の親って何をしてるんだ?」


考えてみれば、結衣の親の話を一度も聞いたことがない。こんだけ金持ちなら相当な・・


「ああ!家の父は国会議員ですの」


「はは・・ やっぱりですか・・」


雪村といえば、あの国会の切れ者といわれる雪村修平だろう。次の総理大臣候補という噂まで流れている。そんな人に俺は会いに行くのか・・


「俺が会いに行ってほんとに大丈夫なのか?」


「・・・ま、まぁ大丈夫でしょう」


何だよ。今の間は? やっぱとんでもない役買っちゃったよ・・


「心配しないで下さい。私は快斗くんのことが・・ その・・ ほんとに好きですから❤️」


「・・あ、ありがとな💕」


結衣は心配じゃないのかな? 


「着きましたわよ」


「で、でかいな・・」


そんなやり取りをしてる間に結衣の別荘に着いた。山の少し上にあるんだが・・ すげぇでかい。


「さ、さすが金持ち・・・」


「何言ってるんですか。早く行きますわよ?」


「お、おう・・」


なんか結衣の雰囲気が変わった。やっぱり結衣も緊張してるのかなぁ?

そんなこんなで別荘のドアの前に着いた。


「・・では開けますわよ?」


結衣の身体が少し震えている。なんだ、やっぱり緊張してんじゃねえか・・


「結衣、大丈夫だ👌 俺が付いてる!」


こんなときくらい格好付けさせてもらうぜ? 結衣にも安心してほしいしな。


「快斗くん・・ ありがとうございます❤️ では・・」


ドアが開いた。





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