ビーダマの街、ミームの海

桐谷佑弥

1.たそかれの国のすべては

<我は聞く>  ブルー・ライトのさざなみに  いつか、 憂き  日  に  消えし口笛





たからものだったビーダマの記憶を握ったつもりで僕は正気



ねえ、お前 とうめいいろのビーダマよ 〈emotional〉がお前のいろかよ



砂の城たたずむ誰かたそかれの国のすべては二酸化珪素





ビーダマのディーエヌエーの眠る街

エンゼルの目は無音に呑まれ



(あのこはね、てんしみたいにみえるけど)

(ママのとこからはぐれたあひる)


(靄の国はせかいぜんぶがミルクいろ)ビーダマいろは水のなきがら





カーテンをすりぬけたのは 明晰夢

もう春だから 冬眠じゃない



店先におぼろにゆれる走馬灯

ゆめみごこちに

めいろの路地で



無にあそぶゆめの座標を地図にして、誰もおきない朝に隠した

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