第5話 初心者講習とパーティー結成

 男は部屋に入ると唐突に話し始めた。


講師「よう坊ちゃん嬢ちゃん達今日は初心者講習だぞ!間違って来た奴は今のうちに出て行くんだ。魔物も殺せない意気地なしに用は無いぞ!オムツした奴はいないだろうな?」


 ゆっくり壇上に立ち


講師「よく分かった。全員やる気があると言う事で良いんだな?。じゃあ始めるが、魔物と戦うというのは命を奪うという事だ。当然大人しくやられてくれないから、もたもたしていると反撃を喰らう。お前ら初心者講習を受けた奴は、大体1年後には10人中3人、3年後には6人が死んでいると思われる。つまり3年後には今いるうち半分はおっちんじまうって事だ。それを肝に銘じて耳の穴かっぽじって俺の話をよく聞くんだ!いいな!」


 皆小さい声で返事をするが


講師「こらー!てめえら朝飯食ってないのか?ああん?やる気が無いなら帰ってママのおっぱいでもしゃぶってろ。もう一度聞くが、準備はいいな?」


 当夜を含め皆精一杯の返事をすると、満足そうに講師は頷き、講義を始めた。

まずは良く有る魔物の討伐証明部位や、採取依頼で多い薬草の説明等の座学、魔石の抜き取りの実習、オークの解体実習等で午前が終わった。


 大事な話では、パーティーを組む大事さと、パーティーメンバーは経験値が人数割になる等の説明があった。

大事なのは信頼と野営時の見張りで、パーティー人数は4~6名が推奨とされていた。つまり当夜とルナわは話にならないのだ。


 意外だったのは粗野な喋りはともかく、講習内容は分かりやすく丁寧な事だった。


 昼食はギルド併設の食堂で食べる事にしたが、混んでいたのもあり先の3人組と相席になった。ルナが嬉しそうにしていて、当夜も気分が良かったのだが、何故か3人からは当夜に話し掛ける事はなかった。ただ、当夜を見る目はまるで汚物を見るかのように嫌そうだと当夜は感じた。


 名前は 赤毛が シャクラ

 金髪が アモネス

 男がレグナス

 同じ村の出身で村を飛び出して、まずは一番近い街で冒険者として登録し、やっていく事にしたと。


 しきりに当夜とルナの関係を聞かれ、返答に困った当夜がルナの代わりに答えた


当夜「私は当夜と言います。彼女には私の恋人であり従者をして貰っています。そして私が死ねば彼女も死んでしまう。そういった理不尽な呪いを掛けられてしまっていて、今は残念ながら解除の方法が分からないんだ。だからただの恋人同士と言う事にして、秘密にしておいてくれると助かります。彼女と仲良くして貰えると嬉しいです」

 

3人は頷き興味津々な反応だが金髪の少女が


アモネス「あの、私達ルナさんと友達になりたいのですが、もし宜しかったら私達とパーティーを組みませんか?」


当夜「またえらくルナは気に入られたんだね。ルナはどう思う?」


ルナ「はい、当夜様さえ良ければ是非仲間にして頂ければと思います。彼女達は善良な方達で、当夜様に敵意を向ける性質の方ではありません」


当夜「一応聞きますが、私達は少なくとも一度王都まで行かなければなりませんし、場合によってはもっと遠くまで旅に出る必要が有るかもしれません。その場合一緒に来れますか?それとパーティーを組んだら私達の秘密を伝えざるを得ませんので、貴女方の冒険者としての目的等を教えて頂ければと思います」


 三人はお互い見つめ合い頷いていた。


アモネス「直ぐには信用出来ないと思いますが、私達は家出同然で村を出て来ています。まずは冒険者として生活の糧を得ようと思っていますし、冒険者である以上は死の危険が有るとは思うのですが、色々な所を旅して回り見識を深めたいので、当夜さん達と同行出来るのは願ったり叶ったりです。いずれ恋人を見つけ、結婚をして子供をとは思いますが、まだまだ先の事と思いますがどうでしょうか?」


当夜「分かりました。ルナと仲良くしてやって下さい。私も力の及ぶ限り仲間の命を守りましょう。恐らく現時点で私が一番強いと思いますし、剣技では彼女はかなりの者です。宜しくお願いします」


 当夜達はお互い握手をして年齢を確認したが彼女達は3人共15歳だった。必然的に年長の当夜がリーダーをするのだが、同時に3人の保護者になる事を意味したが、それよりルナに女性の仲間が出来た事が嬉しかった。


 講習が終わった後にパーティー申請を行う事として、午後の講習に向かうのだった。

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