「Location」
嵯峨野の春
穏やかに流れる春
渡月橋を渡る人々も
清らかな桂川の流れも
雨に霞む嵐山も
どこか現実世界ではないような不思議さ
そんな場所で
見事な桜が咲き乱れる
風に揺れるたわわな枝に満開の桜の花
望京の丘から見える境内
山々のあいだに見える淡い色の山桜
多宝殿の目の前にあるしだれ桜
曹源池のまわりにある桜
彼と見た桜
その桜がそこに
天龍寺
夢窓国師を開山として創建されたこの場所
醍醐天皇の菩提を弔うために
京都五山第一位の寺格を誇るこの場所
いま 満開の桜の花が
私に1年前の京都を思い出させる
まるで いま 目の前で見ているように
私に1年前の京都の桜をよみがえさせる
出勤する時間も忘れて
TVの画面にくぎづけになっていた
ずっと 身動きすらできずに
TVの中継を見つめていた
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