「Veil」

霧雨が…降る

雨に濡れるのが好きな私は 

傘をさすのが好きじゃない

このくらいの雨ならば濡れていたい

こんなふうに降る雨が自分の身体も心も浄化してくれる

そんな気がして


今日は珍しく車に乗らずに徒歩で移動

今日はいつもの傘ではなく 

透明なビニール傘を持って歩いた

空から風に舞いながら降り注ぐ霧雨

細かい水滴が集まって大きな水滴を作る

傘が違うとこんなにも空の明るさの感じ方が違うのか


雨に濡れたヴェールを通して見るこの世界は 

まるで違う世界のように見える

このヴェールの向こう側に見える世界は 

本当に私の住む世界なのだろうか


「ヴェールの向こう側の世界」

そんな不思議な感覚が芽生えていた

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