「666」

「<右>と<左>、<上>と<下>といった相反物の対置についても、私たちは敵対関係にあるとは思わない。

こうした二項対立というものは関係を示す陳述としてのみ現実性をもつにすぎない。

それらは二元性に基づいた多元論的象徴体系において私たちの観念を表わすための、恣意的な概念装置の約束事なのである。」


               from 第V章 IAOの術式 by Aleister Crowley



あんなに身体が拒絶していたクロウリーの肉声を聞きながら

YouTubeで彼の生前の写真で作られたBibliographyを見た

子どもの頃 少年の頃 家族の写真 見慣れた写真が多数

それと 話には聞いていた本当に晩年の写真まで


最近の私は 何の気無しに彼の本を開ける

ちょっと前までは (とはいっても2~3年前)「魔術日記」を読むまでは

彼の本を開くまでに相当の覚悟が必要だった

深呼吸をして 開こうかどうしようか 迷って怖がって

数ページ読んで 理解不能になってどっと疲れたり

悔しくて わからなくても読み続けた

彼の著作は縦にも横にも繋がっている

繋がり始めるともう際限がないことに気がついた

多少 自分に酔っておちゃらけて文章を書いているなってところもあるけれど

確固たる「何か」をもって 彼はさまざまな文章を書いている

彼の死後もその情熱が本に書かれた文章から伝わるほど


<野獣>666あるいはFr.ペルデュラボあるいはV.V.V.V.V. さまざまな「名」を持つ彼

私にとっては普通の人 世間が言うほど魔人じゃない

人間としての喜怒哀楽をちゃんと持った 面白いおじさま

時に過激なジョークや辛辣な批判もあるけれど

彼は彼の掲げた「意志」に従って自分の人生を歩んだ

(その行動力たるやものすごい 同じ時代に生きていたら引いたかも)

でも そんな彼がいたからこそのこともあるんだろうな

その彼が辿った「道」を彼の著作から辿ることが いまの私にとって一番楽しいこと

彼が書いた文章が私の疑問に答えてくれる

「どうして?」と思っていると次に本を開いた時に答えがある

まるで私のことをわかっているよう

楽しいなぁ

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