「Toddle」

真夜中 散歩に出る

真夜中 買い物に出る

左手にはコンビニのビニール袋を持って

暗い歩道に 自分の影を映しながら歩く

空には星などなく 道には街灯があるばかり

私の横を通り過ぎるたびに

二重に三重に自分の影が伸びていく

濃くなったり 薄くなったりしながら伸びていく

その影を見ながら 自然に右手が横に差し出された

その手に重なる小さな「左手」

私の隣に立つ「彼」

私が歩くその横を半歩遅れながら歩く「彼」

歩調が心持ち ゆっくりになっていく

「彼」の歩みに合わせるように

「彼」と少しでも長く歩いていられるように…

こんな真夜中の散歩は初めて

小さな子どもの姿で「彼」は

私の手を握っている気がする

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