「The Drawing」

「散るをいとふ 世にも人にもさきがけて

散るこそ 花と吹く小夜嵐

人は散っていく… 自分が創作した人生の中で…」


こんな文章が書かれた彼の絵を見つけた

懐かしい…

実家から送られた中学校時代の荷物を整理していて見つけた

自分が描いたスケッチや完成原稿に混じって彼の絵を見つけた

私がねだって描いてもらったもの

一番上には「to ○○さん」と私の名前入り

彼の自筆で描かれた文字

左下には彼のサイン

この他にもあと2点 彼の描いた絵が入っていた

あの当時

これをもらう頃にはもう転校が決まっていた

これをもらってからは毎晩ながめて「会いたい」と思っていた

これを描いていた頃 彼が私のことをどう思っていたかわからない

「友達」だったのか それとも「彼女」だったのか

1週間か2週間に1度届く彼からの手紙と一緒に

あの当時の私を支えてくれた絵


思い出すだけで切なくなる…

時間の彼方に封印した記憶

忘れていた記憶

あの頃も 今も 私は創作という世界に生きている

絵こそ描かなくなったけれど

文章を書き続けている

今 書いているこの文章が彼の目に触れることは

限りなく0に近いのだろうけれど

書いちゃってもいいかな?

あの頃 私はあなたのことが好きでした

本当に…

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