「Buds」

いつもの時間に

いつもの道で

いつもの場所に向かう途中

いつも見る公園で立ち止まった

見上げると

雲ひとつない夜空

恐ろしいほど均一に

グラデーションがかかった

漆黒の闇

そのなかでひときわ

いつもよりくっきりとした輪郭で輝く星たち

光を浴びて輝く宝石のよう

素直に「綺麗だな…」と思った

何も飾らず ただそこに在り続ける


そこから視線をどんどん下ろしてくると

真っ黒な枝が無数に空に向かって伸びている

漆黒の闇よりさらに黒い

枝が空の星をつかんでいるようにも見えた

ふと よく目を凝らすと

枝には無数の新芽があった

固い芽鱗に覆われた新芽が無数にあった

「こんな場所にも もう春があるんだ」

そう思いながら帰路についた

時が巡っている

生命を謳歌する季節が近づいている

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