「Service」

ケフラの礼拝

瞑想して 

ビジョンを聴く

一瞬でその場所に到達できる事もあれば

何度試みても到達すらできない事もある

言葉にならない経験と

形にならない映像を

必死でつかみ 抱いてマルクトーに舞い戻る

さっきまで全てを理解していたのに

真理は自分のなかにあったのに

一瞬で消え去ってしまった…


などと書いてある日記を紐解きながら

かのひとと同じ心境になっている事に気づく

HとCの服用で禁断症状と依存症状が出ていたかのひと

(HはともかくCは先進的な「薬」として副作用の報告が当時なかった)

かのひとはそれでも服用して礼拝を続けてきた

それを毎晩手にする時の気持ちはどうだったのだろう

一時期 あまりの身体の変調と医師の勧めもあり

服用を中断したこともあったほど

それを手にしながら自分の精神的弱さを嘆いたのか

あるいは信じる道の実践のために強い意志で臨んだのか

そんなことを考えながら

自分の手のなかにある紫色の包装を見ていた


私の目の前にも2つの道

これを飲む道と飲まない道

飲んだからといって世界が変わるわけではなく

飲まなかったからといって自分を肯定するわけではない

ただ自分の手の中に紫色の包装がある

そのことだけを考えていた


もう真夜中…

大地と太陽に向かい

宇宙そらの声を聴こう

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