第5話 太古の機械。
フニウもそうだけど彼らは皆高次元に住んでいる。
この空間には居ないのだ。
でも、向こうからはこちらに干渉できる。そう、まるで私たちが紙に絵を描く事ができるように。
わたしのような機械使いはそんな彼らと心をかよわせることでチカラを行使する。
物質の化学変化に干渉するアーク。
物質の温度変化に干渉するバアル。
空間の位相、位置エネルギーに干渉するアウラ。
そして、それらの物資そのもの、この空間に物質を創造し生み出すことのできるオプス。
彼らはそんな中でも特にこの世界に満遍なく存在している。
もちろん他にも居るんだけれど主に彼らがわたしの周りでチカラを貸してくれている。
それが機械使い、マシン=マスターとしてのわたしの力なのだ。
機械使いの技術は、今の時代魔術の一種として考えられている。お父様も世間に向けては魔術だと説明してたしね。
まあ、フニウと話す事が出来るのが現在わたし一人なこの状況で、古代の機械の説明なんかしても誰も理解してはくれないだろう。
こうして宮廷術師が光を呼び出す術式の調べを謳い人々に見せているこの出来事も、普通の人は魔法なのだと思ってる。
光の妖精が踊っていると思ってる。
そもそも魔法という概念ができたのも、この不思議な力をそう感じた人々がそう名付けたってことなのだし。
それを否定するつもりはさらさらないのだけれどね。
王子様がまだ現れないので皆テーブルのお菓子にも手を付けずそれぞれに歓談している。
うん。そろそろ現れてよ王子様。流石に待たせすぎじゃない?
そんな事を思ってたその時だった。
……アリア、龍が成長してる。ちょっとまずいかも。
そうフニウの声が聞こえた。
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