36歳処女の無敵会社員はタイトル通り無敵だった

あぁ……私また死んじゃったのか……いや……一応は自分の世界で死んではいないんだけど、死んだ事にはなってるだろう。まだこの世界に来て半日も経ってないのに……短い異世界生活だったな……


「…………あれ?」


若干現実逃避に浸っていた私だったが、違和感を覚えゆっくりと目を開けると……そこには驚いた顔をしたダークエルフで魔王幹部のリディアが立っていた。あれ?私……確かこの人の凄そうな魔法を受けたはずじゃ……


「嘘でしょ!?ここを壊さない為に出力は抑えたとは言え、今のは上級の魔法だったのよ!?」


リディアが驚愕の表情を浮かべてそう言っている。私は気になって足元を見てみたら、床にいくつかのヒビが走っていた。これは……私は間違いなく魔法を受けたみたいだけど……もしかして……


「それなら……!これでどう……!!」


リディアは今度は先程よりも数倍大きく禍々しい魔力の塊らしき物を私に放った。今度こそアレを受けたら終わりかと思ったが……


「…………全然痛くない……」


「そんな……!?嘘でしょ……!?今のは出力を抑えに抑えたとは言え最上級魔法なのよ!!?」


私はリディアの魔法を受けてもピンピンしていた。スーツにも傷や火傷したような部分は一切ない。私自身も無傷である。


「ちょっ!?一体どうなってるのよ……」


リディアの目がキラリと光ったかと思うと、その目はジッと私が握っていた剣や私の服を見ていた。


「ちょっ!?どういう事!?剣は騎士の練習用の剣で……服は……「ただのスーツ」って装備品は聞いた事ないけど!初期装備品とほとんど変わらないじゃない!?こんな装備品で私の攻撃を防げる訳が……」


どうやらリディアは私の服や持ってる剣を鑑定魔法で鑑定している感じかな?そして、再びその目が私の顔を捉えた時、リディアは思いっきり吹き出した。


「ちょっ!?なんなの!?この数値!!?レベル1でこの数値はあり得ないんですけど!!?」


リディアは目を真ん丸にして驚いている。一体私のステータスってどうなってるんだろう……


「勇者様!今です!彼女が油断しているうちに反撃を!」


「えっ!?反撃って言っても……」


「先程カトレアにやったよりも力を込めてやってください!!」


セリーナ様にそう言われ、私は言われるがまま、カトレアさんとの決闘よりも若干力を込めて剣を振るった。


ゴオォォォ〜ーーーーーーーーーー!!!!!!


「なっ!?アレを食らった流石にマズイ!!?」


リディアは何やら色々魔法を展開しようとしたが、私が剣を振るって起きた衝撃波をまともに直撃し、リディアは数m先まで吹っ飛ばされた。周りから多くの歓声が上がる。



どうやら私は異世界に来て半日で魔王幹部を撃退してしまったようだ。


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