1人目(Eins) 最強の「戦士」
その者は無敵ではない。
複数人に囲まれ銃やマシンガンでハチの巣にされたり、車に撥ねられたりすれば死に至ることもあるだろう。
まして、戦車や戦闘ヘリと対峙しては生き残るのも至難であり、生物兵器、核兵器の被害にあって生き残れるとは思えない。
それでも、その戦士は最強である。ヒト相手の一対一に関して言えば、絶対に勝つのだから。
ずいぶん条件付きで限定的な「最強」であり、本当にそう言って良いのか疑問に思う者はいるだろう。だが考えて欲しい。
「最強」とはどの種族においての最強か?獅子か?虎か?恐竜か?
なれば、ヒトの世界においてあらゆる相手を上回る者を何と呼べばいい?
「最強」の二文字は当てはまらないだろうか?
厳密に言えばその戦士は、ヒト以外や複数相手に対しても大方強い。
猛獣であるライオンや虎、大型の熊を数多く一人で葬り、戦車や戦闘ヘリを手持ちの武器や知識を駆使し撃墜したこともある。
「10人くらいまでなら、条件次第で撃退できる。」と公言しており、実際12人の兵士を撃退した戦歴もある。
であっても、戦士は条件をつける。「毒を盛られて生き残れるかは運次第。一騎当千なんてのは少なくとも自分にとっては絵空事だ。」
その戦士は自分を知っている。故に慢心することはおそらく無い。
だからこそ「最強」の戦士であると私は思っている。
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