16話:誰が為に君はいる?
―――――
「ほっ、ほっ!」
「はひっ、はひぃっ」
「ほっ、ほっ、ほっ!」
「はひぃ、ひぃっ、ひぃぃ」
「ほっ、ほっ、ほっ、ほっ!」
「ひぃ、ひぃっ、ひぃぃっ、ひぎぃぃぃぃぃぃ!」
「ほっ、ほっ――どうした?」
「ひぃ、ひぃっ、に、にっ、
「
風雅
その通りだと思う。
腕に
それだけに、戦闘以外のスキルは低い
つまり、逃げたのは正解だった、という事。
それにしても、
ナグルマンティでは、それこそ風雅の方が猪突猛進の
なのに、
……なぜ?
―――タララカン・カッツォーの街
活気と
この街における活気とは、
奪い取った
地面に
親子と別れた狩人は、少し
金貨を貰った男は
この街は、
「いい街だな、ラヴ」
「!? な、なに云ってんのよ、風雅!」
「……――なにか気に
「さっきの見てなかったの? この街は
どういうつもりなの、風雅は?
こいつ、どれだけやさぐれてんのよ!
「
「えっ?」
風雅が
その広告看板に『
なんて、
魔王が支配している
「
「――え、えー、……はい」
ちょっ!
なに、話し掛けてんのよ、こいつは!!
「風雅ッ! そんな
「――なん……だと?」
――え?
どうしたの、急に
「えーと、なんかあたし、変なこと云ったかな?」
「取り消せ」
「えっ?」
「
「えっ、えーと……」
目をカッと開いた風雅の表情には、
「ラヴ、君はこの世界に、なにをしに来たんだ?」
「え? そ、それは…………
「誰をだ? 誰を救う
「!? そっ、それは~……」
――イヲタ、を……
風雅には、
つまり、イヲタを救い出す、っていうあたしの目的を、風雅は
分かっている。ナグルマンティの時とは違い、シャクンタラカーカにはイヲタを救いに来ている。イヲタ救出が優先。世界を救う事は二の次。
それでも! 偽善だなんて
――だから。
答える。胸を
「世界の人々! この世界の人々を救う為!」
「そうだ。それでいい。ナグルマンティで君は俺に云ったろ? 勇者は世界の人々の為に魔王を倒すもの、だと。
だとしたら、この世界の住人である彼を
「――いや、そこまでは云ってないんですけどぉ~……」
意外と、
「俺は俺の為に、魔王を
ならば、君が人々の為に世界を救うと云うのであれば、俺も人々の為に世界を救う。そして――」
「……そして?」
「――君の友達の為にも」
「……――」
ちょ――
やっぱ、こいつぅ~、
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