60 World



「もうお喋りはいいだろう」

テリオスは言う。


そして、先ほどと同じく、青い点線が部屋に広がっていく。


「君たちをdeleteしなければならない」

と言うと。範囲が広まる。


そうか、そういうことか。

今になって解ってきた。


俺が何故、レナの前に現れたか。

ここに来たのか。を。


今、青い線は部屋全体を覆った。


しかし記憶からの逃げ道は、もう何も教えてくれない。


逃げ道は塞がれた。


「delete」


と声が言う。


ここまでだった。


でも、本来の目的である、レナとの和解。

は果たせたわけだ。


それだけで俺は十分だった。


レナを見つめる。


なんだか巻き込んでしまったようだ。


すまなかった。レナ。

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