第3話 心の貧富

生まれつき痛みを感じ取ることのできない少年がTVで言っていた


「僕が怪我をすると僕は何も感じなくても

お母さんとお父さんは辛そうな顔をする。

それが僕にとっての痛みなんだ」


自分のためでなく誰かのために涙を流すことができるなら

あなたは自分のものだけではない痛みを識っている人だ


それは心の豊かさだ


逆に人の痛みを識らないものは

その想像力のなさから人を無自覚に傷つけてしまうだろう


それが心の貧しさというものなのだと思う


心豊かな人が恵まれているとは限らない


心豊かな分、感じ取る悲しみが多い分、

むしろ辛いしんどい重たいものを抱える人生を歩む確率が高いかもしれない


でも薄っぺらな損得を超えて心豊かな人はたくさんのものを手にするだろう


心の豊かな人は

痛みだけでなく周りの人の幸福をも

自分のもののように受け取ることができるのだから

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