第404話  本体は?

 俺は奴の本体目掛けて突撃していった。向かってくる刃は今回は全て本体から直線出てくる感じになっている。


 俺は基本的に本体の位置が気配からは分からない。直接の目視にてしてようやく分かるのだ。映画等でレーダに映らないが、目視確認はできるという状態だ。


 本体のみは気配が全くしないのだ。なので刃の微妙な動き、空気の振動、そういったもので本体の位置を推測し、そこに目を向けると本体がいる感じだ。ただ本当の位置を目視しても、気配を感じないので気持ち悪い。


 ヘルムの反撃のビームであれば刃を切り裂き破壊する事が出来るが、何故かアンタレスでは刃を切り裂いたり、切断する事ができなかった。アンタレスを一本戻し、ライトソードに切り替えるも同じである。


 弾き返したり、受け止める事はできるが、切り裂く事ができない。逆に向こうの刃もアンタレスを切り裂く事はできなかった。ただ、パワーが向こうの方があるので、受け止めると俺は飛ばされていた。


 ただひとつ言えるのは、俺が何度も何度も突撃を掛け、何とか奴の懐に潜り込み、刃が届く!そう思った瞬間に奴は空間を切り裂いて発生した空間の裂け目から、別のところに出ていた。ただボス部屋からは出れないようで、ボス部屋のどこかに現れる。


 また、裂け目のいちを認識し、そこにライトそーとを突き刺すも、直前に消えてしまう。当たりそうで当たらないもどかしい状態だ。


 奴が次の攻撃のために刃を繰り出すが、その刃の動きで本体の位置は予測した。そういった感じで本体の位置を確かめ、温存していた転移を使ってみた。奴の鼻先まで行き、刀を振るうがやはり当たる直前に消えていってしまう。


 刃の方はほぼ全て破壊したようだ。離れた位置への攻撃はヘルムに当たる事がなくなったのだ。ただ奴の本体近くに転移をする。その距離まで行くと途中から破壊された刃でも俺の体に届く。


 かなり時間はかかるが近付いて攻撃させ、刃を消滅させる

 。そうすればほぼ丸裸にできる筈だ。


 ただそれは絶対防壁の観点から実行できる案ではなかった。俺の魔力量はとんでもない量の魔力ではあるのだが、その俺の魔力をもってしても奴を丸裸にするまでの間、絶対防壁を維持するための魔力が足らない。


 正確に言うと次に防壁を展開させると、ほぼ全ての魔力を持って行かれる。出来なくはないが、魔法攻撃ができない。あと一回の防壁展開の間に丸裸にまでできるかと言うとできないのだ。そのため使いたくない手段を使う事を考えざるを得なくなった。そう、時間停止だ。


 本来の赤ちゃん返りはもう無いが、その名残で多少なりとも赤ちゃん返りをするから出来れば使いたく無かった。おっぱいチュバチュパさせてくだちゃいなんて口にしているようなので見っともないのだ。調子に乗ったトリシアにあかちゃんプレイ・・・いややめておこう。


 そうも言ってはいられないので覚悟を決め、俺は時間停止を発動する決意をするのであった。

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