第330話 ドラゴンへ

 俺はヒナタから大まかな事についての話をしたというより、教えて貰った後シェルターを出て、人目のつかない所に行き確認をした


「なあヒナタ、今からドラゴンの姿に戻る事が出来るか?」


「はい問題ありませんが、宜しいのですか?ただ、服を着たままですと破れてしまいますがどうしましょうか?」


 ヒナタにドラゴンの姿になって貰う事になった。


 服を着たままだと服が破れると言うので、俺に背を向けさせ、服を脱ぐように指示をした。服を脱ぎ、脱いだ服を手に持っていて、俺に渡してきた。


「これよりドラゴンの姿に戻りますが、よろしかったでしょうか?」


 俺はふと気になった事があり

 ヒナタの背中を見たのだが、背中には小さな翼の名残がある。付け根にはかさぶたが出来ていた


「さっきの傷がまだあるな。ちょっと待ってろ。すまないな。俺が切った傷がまだ残っていたんだな。先に直すからちょっと待ってろよ。痛くはないのか?」


「はい。これ位は大丈夫です。ただ、少しは痛いですが我慢できる範囲です」


「悪かった。もっと早くに気が付くべきだった。今痛みを取ってやる」


 俺はヒナタの傷を治療していく」


「不思議ですわ。主様の力が感じられます。痛みが引いていきますわ」


「もう痛みはないか?治療は終わった筈だ」


「はい大丈夫でございます」


 ヒナタは返事をするとおもむろに石を投げた


「危のうございますから、今投げた石のところ位までお下がりください」


 言われるがままに俺達は10 m 位離れる。


「それでは参ります」


 と言うとどんどん体が大きくなり、遂にドラゴンの姿に変わっていったのだ。そこには見事な姿があった。威厳のある青いドラゴンが現れたのだ。


「さて言われた通りにドラゴンの姿になりましたが、いかが致しましょうか?」


「俺達を乗せて飛べるか?」


「はい雑作のない事でございます。首を下げますので、どうぞお乗り下さい


 と言うので俺を先頭に皆がヒナタの背中に乗って行くのであった。


 俺は行き先を告げた


「よしお前の住処に向かおうか」


「畏まりましてございます我が主よ。では参ります。しっかりと御掴まり下さいませ」


 そして一気に上空に飛び立ち、目的地に向かって飛んで行く。トリシア達は必死に掴まっていた。全員一度は俺の飛行スキルで空に連れて行ってあげているのだが、やはりドラゴンの背中は初めてだと言うのもあり怖かったらしい。失禁こそしなかったが、4人共目を瞑っていたのだった。


 飛ぶ事約10分経過すると小さな山が見えてきて、ヒナタはその山の中腹にある洞窟の入口に降りていくのであった。


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