第327話 ドラゴン
取り急ぎ俺達は鐘の鳴った方に向かった。咆哮も同じ方向から聞こえて来たので向かい出したのだ。
そうすると街の方に向かって何かが飛んで来ているのが見えた。まだ剣は抜いていないが、すぐにでも剣を抜き戦える準備だけはしていた。
聞くまでもなくトリシア達も戦いになる可能性を考え、いつでも動けるように準備していたのだ。流石は知り合った当時、最有望視されていた若手のパーティーだけある。
以前助けてと俺に泣いて縋って来ていたレフトアイの泣いていた姿が懐かしく感じる位にだ。
黙ってその飛翔物が街の入り口のすぐ手前に着陸する様子を見ていた。そいつは高さ5m位の青い色のドラゴンであった。
そう西洋風のである。何故ドラゴンが来るんだ?そんなこと思っていたのだが、そのドラゴンが喋り始めた
「今日の生贄は4人か。全員生娘だろうな?それと何をしている?早く服を脱がぬか!それとそこの男、お前は何をしに来ている?もう用はないのであろう。とっとと失せるが良い」
俺はこいつ頭大丈夫か?と思い
「はあ?お前何言ってるんだ。俺の妻達を何故お前に差し出さねばならぬ?後、なんで裸にならなきゃならんのだ?何寝ぼけた事を言っている?妻達の裸を見ても良い男は俺だけだし、他の奴に見せるわけないだろう」
「貴様何を言っている?この者達はお前の妻達だと言うのか?では何故処女臭が4人からする?まあ良い。黙って差し出せば貴様の無礼な態度も目を瞑ろう。何故今までこれだけの美人を出さなんだ?何故隠しておった?」
「蜥蜴風情が笑わすな。お前態度がでかいぞ。あまり生意気な事をいうなら退治するぞ
。仰向けになり腹を見せ服従すればペットにしてやろう」
「き、貴様我をぐろうするか?死ぬが良い」
そいつが俺に対して攻撃をする為と思うが、口に何かを展開し始めた。おそらくブレスか何かを俺に目掛けて吐くのであろうと思い俺は、はぁと溜息をつき
「降伏するなら許してやらんこともないが、攻撃してくるなら覚悟しろよ」
そいつが口から何かを吐き出してきた。咄嗟に4人を少し離れた所に転移させ、俺は上空に飛んで行った。するとそいつはあれ?といった感じでキョロキョロしていたが、俺はそいつの顔の前に転移し、思いっきり殴りつけた。
そうすると奴はあっけにとられ、そのまま吹き飛び倒れた
「な、なんだ?」
と叫んでいるが俺は情け容赦なく蹴り上げたり、殴ったりをしていた。ドラゴンはぐぁーとか痛い!とか唸っていたが、俺はライトソードを顕現し、奴の翼を半ば切断してやった。するとそいつが本格的に悶絶していたが
「俺にお腹を見せて降伏しろ。ご主人様どうか命だけはお助け下さい!と言えばお前の今までの行い次第だが、命だけは助けてやる」
そいつは尚も俺に抵抗しようとしたので、更に殴りつけて、腕も半ば切断してやった。そうすると飛ぼうとしたが、翼が半ば切れていて飛べない事に気が付き
「お前一体何をした?」
「いやとばれると面倒臭いからさ、翼を少し切っといたんだよ。お前を追いかけると妻達が暫くの間俺と離れなければならないからお前を追いかけたくなかっただけだよ」
「貴様!なんという事をとしてくれたんだ!これでは翔べぬではないか」
「だから言ったろ?降伏しろと」
更に殴り続ける。俺に殴りかかってきたりするが、手で受け止め拳を潰し、ひたすら殴っていたが、ついに殴り過ぎぎて喋れなくなったようだ。それは歯や牙が何本か折れてその辺に転がっていたからだ。グラグラとふらつき、ついにそいつが腹ばいになり暫くの間悶絶していた。
そして諦めたようで後仰向けになりお腹を見せた。口を怪我していて何を言っているか判らなかったが、そいつが俺に降伏した事が分かった。
「何を言っているか判らない。降伏するなら2度地面を叩け。降伏しないなら一度だ」
そして2度地面を叩き、くーんと犬のように情けない呻きを発した。
こいつにできるかなと思いつつ、首に手を当て「隷属契約」と一言いい、隷属契約を行ったのであった。
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