第266話 破壊を確認するが

 俺はセレーシャを追加し、魔王城を破壊した後を確認しに行く事にした。


 臨戦体制でアリゾナを先頭にゲートをくぐる。


 周辺に少し魔物がいたが、強いのはいないとの初期評価だ。


「よし、城の破壊後の瓦礫から、何か手掛かりが無いか調べよう」


 そう言い、待機させていたセレーシャをにゲートを潜らせ城側にこさせた。


 まずは邪魔なアイスボールの塊を収納に入れた。少しだけ溶けただけだった。

 周辺に直径50m位のクレーターが出来ていた。

 しかしセレーシャが


「ねえ志郎さん、魔王城の破壊を先にするのではなかったのでーすか?」


「へ!?そら!ちゃんと破壊したよ」


 俺は指をさして、昨日破壊した城を示したが、発音のおかしなセレーシャが面白かった。


 セレーシャは呆れた感じで話す


「地図に書きましたが、魔王城は最後の街から70km有るけど、ここは10kmしか離れていないのでーすよ。それに魔王が最初に拠点にした城跡よ!」


「へ?だって、ほらここに10kmって有るよ。俺はこれを目指したけど」


「ほらこっちに70って有りますわよ。ちゃんと魔王城、10kmの方には魔王城跡って書いて有るわよ」


 俺はフランス語が読めず、星マークのここを魔王城と判断していた。口頭で確かめなかったのだ。


「えー!まじか!?無駄足か?」


 セレーシャが頷く。そして仕切り直しになり、皆をゲートで待機場所に送り、セレーシャをだっこして魔王城へ向かいだした。


 こうしてセレーシャと空を飛んで過ごすのは初めてだ。

 セレーシャははしゃいでいた。


 俺はお姫様抱っこでゆっくり飛んでセレーシャの温もりを愉しんだ。じゃなくて、あまり早く飛ぶと風圧でセレーシャが可愛そうだからだ。でもセレーシャは風で髪がバタついて大変そうだったが、空から見る景色が気に入ったようだ。

 ゆっくりと言っても時速60キロは出ているから1時間で目的地の上空に着くのだが。


 セレーシャ「志郎さん!しーろーうーさん、見て見てあれ!凄く綺麗な湖ね!あっ!あっちには滝が見えるよ!ねえねえ・・・」


 そんな感じで興奮して中々大変だ。もみもみしても反応が無いくらいには。

 そして城の上空に辿り着き、俺は転移で周辺の降り、セレーシャを待機スポットに送った。


 そして上空に、それも数千メーターの位置に行き、ゲートで皆の所に戻るのであった。


 皆の所から、城が見えるポイントに行き、セレナも連れてきた。


「これから、魔法を使わず一度攻めてみるよ。上から目線で色々ね」


 そうやってゲートを城の上空に出し、手だけを出して、収納から先のアイスボールと以前収納した岩やら何やらをポポイのぽいと落とし始め、ゲートを、閉じ、皆と行く末を見守ろるのであった。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る