第192話 小屋

 俺は油断をしていたのも有るが、俺の危険判断がほぼ0だったからか見事に喰らってしまった。

 額に何かが当たり、床が脂?で濡れていたので盛大に滑ってこけてしまった。床は何かを踏んだ為か赤い液体が漏れ出ていた。そして額にあたった何かからも赤い液体が・・・


 転倒した際にちょっと頭を打った様で少し意識が朦朧とした。


 皆が慌てて俺を見ている。


 俺は飛翔でムクッと立ち上がり


「くう!下らん悪戯に見事に引っ掛かったよ!おっさんめー!」


 矢が額から取れない。

 無理やり引っ張ったら皮膚がくっついていた。痛いじゃないか!


 ヒールを使い自らを治したが、皆がポカーンと俺を見ていた。


 レニスが


「あの、矢で射ぬかれて死んだんだんじゃなくて?てっきり矢で頭を射ぬかれて死んじゃったかと思ったから皆驚いたのよ。それに床のそれ血よ」


「あのな、ひとの事を勝手に殺すなよ。おっさんの手の込んだ悪戯だよ。殺気が無いトラップだからアリゾナも反応出来なかったろう?あと何か手紙が矢についてるから誰か読んでみてよ!」


 レニスが手紙を開け


「じゃあ私が読むね。背景、坊主。あら誤字だわ。主の額があぽーんになっている姿が思い浮かぶぞ!せれから(誤字だわ)綺麗所と一緒じゃなきゃ会ってやらんからな。10階にて待つ。p.s.普通と違いかなり強い奴が出るからお主は死んでも良いが、女は無事に連れて来るのだぞ。で終わりね。ねえ、ランスは友達を選んだ方が良くてよ!」


「まあそう言うな。この剣をくれたのは奴だからな。まあ俺も人の事は言えないけどさ、単なる好色エロオヤジだからね。ただし強いぞ。俺も時間停止を使わなければまず勝てないな。まあ、あれがあるから後先考えなければ勝てる相手だけど、レニスより強いからな。ただし、お尻を撫でられないようにね。そのお尻は俺のだから」


 そういい尻を撫でてレニスの悲鳴を聞き、


「さあ中を進もうか?」


 扉を開けると小さい小部屋しかなく、奥に扉がある。


 開けると如何にも洞窟なダンジョンが見えた。皆頷きアリゾナが先頭で、ホーネットが殿、レニスが俺の護衛で中に入っていった。


 ここを一階として進むが何も出ない。下に降りるといきなりミノタウロスの群と遭遇し、ひたすらミノタウロスの襲撃を受けていた。


 十字路に来ると通過中に前後左右から一気に襲われて乱戦になっていた。


 皆で蹴散らせて下に進む。

 三階もミノタウロスだが、体格が一回り大きく、アリゾナが苦戦し始めた。尤も複数を相手にしているからで、こちらも人数を合わせている。

 レーヴェンが肩慣らしとして斬りかかるが、洗練された無駄の無い鮮やかな一撃だ。頸を刎ねるも息一つ切らさずにあっさり終わる。

 剣を一振して血を飛ばし、鞘に納める。流麗な動作は俺には出来ない優雅さだな。レニスはレーヴェンから手解きを受けているからか、動きが流麗なのだろう。ただし、動きがいちいちエロいのは気のせいだろうか?


 次のフロアは俺とレニスが先陣を切っていく。

 そして五階はボス部屋だった。


 アンバーが珍しくやりたいと言うのでホーネットに補佐を頼み、ボスの相手を任せる事になり、ボス部屋の扉を開けるのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る