第94話 姉妹

 宿の食堂を出て屋敷に向かうのだが俺はずっと考えを巡らせていて、3人に腕を捕まれたり引っ張られたりしながらであったが、気が付くと屋敷の居間に居た。


 出迎えて来たタオとアレイがお帰りと声を掛けてくれたが違和感が有ったのだ。何故オリヴィアが居るのにお帰りなのかと不思議だったが二人が


「只今帰りました。父上、兄上。今日は4人共食事は済ませて参りました」

「お父様、お兄様ただいま!」


 とオリヴィアもアレイをお父様と挨拶しているのを見て今頃クロエとオリヴィアが姉妹だと初めて分かったのだが、セチアは驚いていないので分かっていたようだ。


 そこでまたもやセクハラ親父登場である。


「おお、ランスロット殿はいつのまにやら我娘達と仲が良くなっておるのだな。さては早くも我が願い通りに二人に刻印を刻んでくれるのだな!で、セチア殿を含め順番はどうなのだ?年齢的にはクロエが先だと良いと思うのじゃが、それともこれの大きさ順か?」


 と胸の大きさをジェスチャーしているが、三人は真っ赤である。

 そしてクロエがアレイ殿にグーパンチを喰らわせ


「死になさいこの腐れ外道が」


 との一言と共に強烈な一撃を撃ち込まれたアレイ殿は見事に吹き飛び俺に当たったのであるが、クロエの狼狽えようは可愛いと思ってしまった。


 俺は精神的にキャパオーバーになっていて心ここにあらずで、両手を引っ張られ、背中を押されてた気がするが、風呂場でクロエ、オリヴィア、セチアの3人にご奉仕されて着替えも全てされ、気がつくとベッドの上で押し倒されていた。更に裸にされており、裸の三人に抱きつかれていて誰から刻むのかしきりに聞かれていて、ふと意識を取り戻す。


 何故か裸の三人に迫られていて驚いていて

『何故こうなったのか!』


 そう思っていると目が覚めて知らない部屋でベッドで寝ていたのだが左右の手を握られているのと、誰かに膝枕されている。

 屋敷に着いてセクハラ親父がのされた後に飛ばされた彼に巻き込まれ気絶した俺を慌ててクロエの部屋に連れて行き寝かせたみたいだ。

 と言うことは風呂やらベッドで迫られてたのも俺の夢と言うか妄想だったようだ。俺は深層意識で彼女達を肉体的に求めてるようなのだ。


「迷惑を掛けたね。どれ位寝ていたの?膝枕有難うね。それと手を握って貰っていて嬉しいよ」


「ごめんなさい、私の所為で。20分位気絶されていました」


 と膝枕をしているクロエ言うが、上を見上げると絶景だった!涎が出そう!そう、絶景だ!プルルン♪


 一旦体を起こして異常が無いか確認するも特にないのでほっとすると


「ランスロット様痛い所などはありませんでしょうか?先程は本当にも」


 そうクロエが言い出すので人差し指を口に当て口チャックをして


「おかげでクロエの膝枕を堪能させて貰ったから気にしなてないよ。それよりクロエとオリヴィアが姉妹だったって驚いたよ」


 そう言うと呆れ顔のクロエが


「あのねランス、ちょっと観察すれば分かる事よ。今の貴方に足りないのはそういう所ね!それと私の回答は貴方のプロポーズを受け入れます。年上の私に求愛なさって頂き大変嬉しく幸せなのよ!なるべく早く嫁ぎ刻印も刻んで欲しいのですよ」


 あいやーやっぱりそうなるよね。確かに大人の色気もそうだし俺が何者か分かってからのしおらしい態度に俺の心は奪われている。

 ちょっと粗野な感じかと思って居たが、どうやらギルドマスターの立場の仮面のようで、今の淑女とした艶っぽい佇まいが素のようで何だかんだと言っても大公だか公爵だかの上位貴族の娘であるのでレディーとしての教育を幼い頃からされており本来の姿は気品が有り容姿と相まって危険な香りのする女の雰囲気だ。


「ちょっと待って貰っても良いかな?思わず求愛したし、クロエの事は今もドキドキする位魅力的で好きだけど、まだよくどう言う人物か分からないんだ。それは君達も同じく俺という人物の事を詳しくは知らないでしょ?

  俺はクロエという女性の内面を最も知り、尊敬して心から愛して初めて抱きたいんだ。だから刻印の儀はもう暫く待って欲しいんだ。本当はクロエのような魅力的な女性を今すぐ物にしたいし抱きたいけどまだ心が伴わないんだ。今俺を好きなのは恐らく俺の持っている隠れたギフトによる影響だと思うから、ちゃんと俺を見て見極めて貰いたい。それで駄目だと思ったら他の人を探して貰った方が良いかと思う」


 クロエは頷いて同意してくれた。


「そう言えばオリヴィアとクロエは本当の姉妹なんだよね?」


「はい、クロエ姉様は私の姉です。この肉体に受肉して転生し、同じ母より生まれし姉妹で一緒に育ち、姉様が15才の時に全てを打ち明けました」


「成る程な。良く分かったよ。さっきはすまなかったね。ついつい魅力的でキスしてしまったけど、本当に良いのか?俺を夫とすると言うのは?」


「はい、大丈夫です。こんな私に優しくして頂き、私に対する扱いも紳士その物です!ぜひハーレムの一員に加えて頂き、結婚をお願い致します。天界の掟が無くても好きになってしまいましたので、どうか刻印とやらを早く頂きたいのです」


「確認だけど、二人に共に俺の所に来ると言うので良いのだね?」


 二人は頷きは俺の手をぎゅっと握りしめてくる。


 あまりジロジロ見てなかったけど、2人の様子は


 クロエは銀髪の腰までの長さのストレートで、手入れも含め見事だ。

 怪しい雰囲気の漂う妖艶な笑みを浮かべており更に理知的な感じを思わせる美女だ。

 体は非常にけしからんボディーで、正にボンキュッポンであり、すらりとしている。体を鍛えているので無駄な肉が無いので魅力あふれる感じだ。


 オリヴィアはどことなくクロエと似ている顔つきだが、銀髪のショートカットでボーイッシュな雰囲気の男装の似合いそうなどことなくほっておけない雰囲気のする不思議な美女だ。今は俺に心を許しているので、保護欲をかき立てられる。


 やはり鍛えているので、すらりとしていて格好良いので、抱きしめたくなる衝動を押さえるのに苦労する。


「分かったよ。君達を娶ろう。但し刻印はちゃんとデートとかしてからね。それで良いかな?あと、1ヶ月位したら、剣術の訓練を終えてボレロ王国に妻達を迎えに向かうが君達はどうする?一緒に来るか?旅の宿は殆ど俺のスキルに有るゲートでこの街に戻るが、旅の馬車での旅をどうするかなんだ」


 二人は見つめ合い、頷いてクロエが

「それならば私達は休みの時は同行して、それ以外はギルドの仕事をし、必要なら何時でも退職出来るように準備をしておきます。私がギルドマスターをしている方が何かと都合が良いかと思うのですが、どうですか?また、オリヴィアは専属者にしますので、ある程度自由は利きます!」


「そうだね、そうしてくれると助かる。俺のスキルなら可能なんだ。そう言えば今日の盗賊幾らになったただろうか?」


「確か5000万位ですわ」


「成る程な!あのさ、暫くは四人で、そのうちボレロにいる妻達と住む家を拠点を買いたいと思うのだけどどうだろうか?確か1億8000万位有るからそこそこの物件が買えると思うんだよね」


 と訪ねるとクロエが何か考えていて表情がコロコロ変化していて見ていてドキドキする。


「そうねそれだけ有れば屋敷が買えるわね。私とオリバーで候補を探して置きましょうか?」


「ああそうしてくれると助かるし、クロエの口利きじゃバカな事も出来ないだろうしね。部屋は最低でも20は欲しいな」


「分かったわ。私達の愛の巣だものね。素敵なのを探すわね!あ・な・た」


 妖艶な笑みにくらくらしてついつい抱きしめて


「頼んだよ未来の奥様。手帳にバルバロッサでの屋敷はキッチンが小さく料理担当が嘆いていたらしいから厨房がしっかりしてるのが良いかな!」


「ふふふ。じゃあ屋敷で最初に私に刻印を刻んで頂きたいのですが良いですよね!」


「ああ勿論だよ」


 ついつい勢いでいってしまったので慌てて


「ちゃんとデートしてからだからね」


「勿論デートもお願いね!私がエスコートしようかしら?フフフ楽しみだわ」


 となんだかんだと時間が経ってきて明日から俺が剣術の訓練となる事を伝えて二人にキスをして解放になった。また、やらかしたのだが知るのは明日だ。


 部屋に戻り、セチアと二人で風呂に入りこれから部屋で刻印の儀式となった。


 風呂を上がると部屋までお姫様抱っこなので、メイドさん達にはこれから何があるのか当然の如く筒抜けである。


 部屋に入り改めてセチアに俺の妻になり、勇者による刻印の儀式をすると伝えると泣いて喜んでくれて、優しく抱きしめて熱いキスをしてから儀式をつつがなく行い、お互い幸せを感じながら眠りについていった。

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