第2話 ステータス
王女の話は要約するとこうなる
約1000年周期位で魔王が発生する。
上級冒険者が束になっても敵わない。
伝承により魔王が発生すると勇者召喚を発動する条件を満たす。
勇者は1度に80人召喚する。今回何故か一人多い。
勇者はギフトという特別なスキルを必ず持っている。
この世界の者で持っているのは極僅か。
生産系戦闘系など多種多様。
80人中、上位の戦闘スキルを持つのは6~10人程度。
魔王を討伐すると、返還の儀式を行う条件を満たす。
この世界にはレベルとステータスがある。レベルを上げればステータス上がり、様々なスキルを覚え、自らを強化する事が出来る。
スキルはギフト程強力ではないが、剣術や魔術がある。
魔法があり、適正のある属性魔法が使えるらしい。
暫くは王城で訓練して強化する。生産等のサポート系の方も自衛できる最低限の戦闘力を得る為に訓練を行う。
ダンジョンがある、等々だ。
これから皆にステータスとスキルを確認して貰い、ステータスを調査すると共に、適正のある魔法属性を調べる。
そう言われ事で一人ずつ小部屋に呼ばれ確認していった。
俺の番が来た。
部屋に入ると、王女と神官と思われる数人がテーブルを挟んで座っていた。
テーブルには敷物の上に、男性が使うボーリングの玉位の透明なオーブというのが置かれている。
指示されたまま玉に両手を触れ
「ステータスオープン」
そう発すると自分と周りにステータスが表示された
名前 ランスロツト
年齢 18
ラベル 1
生命力 100/100
魔力 100/100
強さ 100
ギフト
スキル
魔法
職業 無所属
称号
彷徨える異世界人
end
絶句した。ゲームのような表示に。
ゲームのように力とか敏捷等はないそうです。
続いて隣の一回り小さいオーブに手を添えるが一瞬光った後何も変わらない。
周りがざわめいている。
「えっ 適正無しかよ」
って聞こえたのは気の所為と思いたい。
王女に耳打ちする者がおり、
「こいつあれが効いてません」
って言っているのが聞こえた。何の事だろう?
小声で言ってるようですがしっかり聞こえてるんです!それと
「名前はなんだ?ランスロットのッが小文字じゃなくて大文字なんですが!」
って突っ込むところはそこじゃなくて、本来は何故本名じゃないの?の方だったりする。
ランスロットは今やってるスマホのゲームでの名前なんだが。
ちょっ不安で何より、王女のジト目も気になります。
『頼むからため息つくな!』
そう心の中で突っ込みつつ、ちっと言う舌打ちに寒気が少しした。王女のジト目にドキッとしたのはご愛敬。
それより気になるのは、レベルじゃなくてラベルと表示された事と、魔法適正無し。
『まずいまずいまずい』
心が警笛を鳴らしています。
全員の確認が済むと全員が集まっており、王女が
「皆様お疲れ様でした。本日はお疲れの事と思います。各自にお部屋を用意しています。お食事をお持ちいたしますので、ご入浴とお食事を済ませましたらお休みください。
明日は皆様のステータスから、今後の訓練等どうしていくのか等をお話いたします。
尚、机に冒険者向けの簡単な手引き書をご用意してございますので、ご確認して頂きごゆるりとお休み下さいませ。
ではご機嫌よう」
優雅に挨拶し退出していった。
その後、女子はメイドに、男子は兵士に案内され本日割り当てられた部屋に行った。女子は王家の客間、男子は騎士宿舎に案内された。女子は優遇されてるなと少し羨ましかった。
この世界には本物のメイドさんがいるんだなと思い、今後に期待したい。
話の中に奴隷についての注意が有った。
奴隷には人権は無く”物”扱い。
奴隷に危害を加えると言う事は、奴隷の主人の所有物に損害を与える行為の為、他人の奴隷にはくれぐれも危害を加えない。皆様は勇者なので奴隷の所有は余り関係ないからと、大した説明がなかった。
ステータスカードを配られた。血を一滴垂らすと指定した項目のステータスを表示できる。
身分証明書になるので取っておくようにと言われ、普段は体に押し込めば体内に消えて念じれば取り出せるとの事。
街に入る時やギルドで提示する必要が有るとの事だった。
また
「ステータス」
と言うか思えば目の前に自分しか見えないが、ステータスが表示される魔法が発動する。
生命力は主に体力で、どの位のタフさかの判断基準になる。0で死ぬ訳じゃないけが、動けない状態が0だそうだ。
魔力はMPみたいなものでどれだけ魔法を使えるかの指標。
強さは戦闘力を表す。絶対ではないがかなり参考になる項目だ。
冒険者ギルドでパーティーを募集する時などに強さの判断基準にする者が多い。
一般人の20歳男子で各項目は50~60
一般兵士や駆け出し冒険者では80
部隊長や初心者を脱出する頃で100位だそうだ!
ステータスだけを見たら普通の兵士よりは強そうだった。
但し武器を使った訓練等を行った事が無いから絶対ではないが。
本来勇者は
「アイテムボックス」
と念じれば数百Kg位収納できる魔法の収納が出るのだが、何故か自分は発動しなかった。
そういえば小部屋を出る時に
「無能がっ!」
と言う罵声が聞こえてピクッとして怒りが湧いた。小便引っ掛けてやると心に誓った!
建物の外に出ていないのではっきりは分からなかったが、文明レベルは中世のヨーロッパ位に思えた。
魔法が有るので水回りはある程度充実しているようだ。
トイレはタンク部分に魔石が組み込まれていて、手をかざすと魔力により水が補給されてレバーを引けば水が出る。
簡易トイレに近い作りだ。
外には魔物と言われる生き物がいるそうで、動物と魔物の違いは体内に魔石があるかどうかだそうだ。
ゴブリンとかオーク等のお馴染みの二足歩行する魔物がいるそうで、見つけたら即駆除の対象。女性を襲って犯し孕ませ、襲われた女性は苗床にされて大変酷い目に会うそうだ。
よし見つけたらもりもり駆除するぞ!
それより本当に元の世界に帰れるのか気掛かりでしょうがない。
案内された部屋は四人部屋で二段ベットが両壁にある。机と椅子が置いてあり、クローゼットがあるだけのシンプルな部屋だった。
しかし案内されたのは俺一人。
部屋の中の鏡を見てまたもや絶句した。
鏡に写るのは見慣れたオッサンじゃなく、見慣れない18才位の少年だったからだ。
そんな馬鹿なと思うが、ふと召還直後の女の子の
「お兄さん」
と言う言葉が脳裏に浮かぶ。
若返ったんかいと。
騎士団の大浴場で風呂を済ませ部屋に戻ると食事が置いてあった。
日本のパンに比べると固いパンと、何かの肉が入ったスープと果物が添えられていた。
ふと思った。何故俺以外の全員が最初の悶着の後大人しく言う事を聞いているのか。違和感満載である。何故だ?
食べてる最中に眠気が強くなり横になるとすぐに眠りに落ちたのであった。
召喚1日目
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます