第26話・魔法のあれこれ


この世界の魔法についてだけど、いろいろと資料を当たると俺が知っているファンタジーの魔法とちょっとした違いがある事がわかった。


それは『属性』という区分が少々曖昧だってこと。

普通のファンタジーなら『火の魔法』なら『火の属性』って感じでしっかりした区分けができる。


だけど、この世界の魔法は大なり小なり複数の属性が関わり合っている。

例えば、『火の属性』の魔法の定番『ファイアボール』だと『火』7『風』2『光』1の割合って具合で属性が相互作用しているらしい。

「らしい」と言うのは、この『属性相互作用説』が新しい学説でまだまだわかっていない部分も多く、魔法自体の解析も始まったばかりなんだとか……。


この学説が発見されたのも偶然で、魔導具の魔力効率の向上を図るための『魔法陣の複数使用の統合化』の研究から発見された。


当初、この説は発見者自身も信じていなかったんだが、発見者の弟子とその友人の魔導具技師がこの説を素に面白半分で制作した『魔導コンロ』が脅威の威力を発揮し大学近くの森を焼失させるという事故を起こした。


この件により、この学説の実証性が証明された形となり、その後の研究発展に繋がることとなった。


まぁ、そんな歴史的な事はどうでもいい事、俺にとって大事なのはこの学説の方。

この説に沿ってDELSONの各属性機能を紐付けして、それを「鑑定機能」と「クリエイト機能」にまとめてみた。


これを『魔法操作機能』としてレシピ集に登録、これで入手した魔法をいじれるって寸法はずだ。


モノは試しに電撃猪ライトニングボアから入手した魔法を操作してみる事にした。

電撃猪ライトニングボアの電撃魔法を『魔法操作機能』で鑑定してみると


_____________________________________


* ライトニングボルト

* 威力 中

* 効果範囲 小

* 属性割合「地」0「水」0「火」2「風」6「光」2「闇」0


〇効果範囲の設定は可能です。但し、威力も変化しますのでご注意下さい。

〇威力を向上する場合は「魔力」が必要です。なお、威力を「圧縮」する場合は「魔力」は必要ありませんが、使用回数または効果時間が変化しますのでご注意下さい。

〇既存の魔法は属性割合の設定変更はできません。


_____________________________________



よっしゃー!なんかいろいろと注意書きが出てきたがうまく機能したんじゃないの?!

うまくしたら「火」の魔法が出来るんじゃね?なんて考えてたけど、世の中そんなに甘くないようだが、それでも良い。


ただ、威力や効果範囲がいじれるのは助かる。

しかし、「魔力」ってなんだ?魔法に変化してない純粋な魔力が吸えるって事?

そんなモノどこで手に入れればイイんだろ?よくわからん。

まぁ、そのうち何とかなるだろうから今のところは保留しておこう。


さて、次の機能の開発だ。これはあったら良いなと考えていたモノで、今回の勉強で実現化できそうなのでやってみた。


今まで使っていた「自己防衛機能」に「光」と「闇」の属性と「鑑定機能」紐付けしてみた。

これにより「自己防衛機能」で発現したバリアに光を吸収して解析して180度反対側へと映し出す事が出来るようにした。


これで簡単な『光学迷彩』ができた。これを「ステルス機能」としてレシピ集に登録をした。

だた少々問題が発生する。この「ステルス機能」を使うと真っ暗になってバリアの外側が認識できないのだ。


これは致命的な問題だ。これを解決するために、もう一つ考えていた機能に手を加えてみることにした。


「レーダー機能」に「光」「闇」「風」「火」の四属性を紐付け、さらに「ステルス機能」とも連携させた。


これを俺の視界で発現させる。これは「スコープ」と「火器管制システム」と「暗視ゴーグル」の機能を統合した機能だ。

これで「ステルス機能」使用時の認識疎外の問題が解決した上に、スコープと火器管制の弾道計算による「長距離射撃」の命中率が格段に向上するだろう。

これを安易に『スコープ機能』としてレシピ集に登録した。


今回の魔法の勉強だけで、かなりの安全マージンのアップに繋がった。

やっぱり勉強って大事だね。特に「生き死に」がかかっていると自然と気合いが入るよ。


それと出会い系イベントのロールさんにも感謝しなきゃ。

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