通過儀礼

目の前には 下が見通せない崖がある


向こう岸には 学校の友人たち


時折強い風が吹き あたしの羽根を揺らす


翼人に飛べない人は いない


それが 世の中の常識だ


進行役が あたしにそろそろ行くようにと


仰々しく 手振りで示す


あたしだって 大丈夫


みんなも 飛べていたんだから

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