のれんの下

赤いのれんが夜風に揺れる


人通りのない街角の


屋台に二人の客がいる


店主は黙って品を出し


客は静かに話し込む


グラグラと


揺れるガス火の音の隙間


微かに漏れる客の声


ただそこに


漂い消える


だけの声

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