シシャゴニュウ

身体が弱っているのは自分でもわかっていた


最近ずっと身辺整理をしていたのはその為だ


いつ自分が死んでしまってもいいように


腕につけたバンドがオレンジ色になる


登録している医療機関に連絡が行っただろう


怖くないと言えば嘘になるかもしれない


これまで社会の歯車としての資源リソースを担っていた自分が


急にその形を変えるのだ


充分に生きてなお


誰かの糧になることができる


そうすれば


もしあの世があるとすれば


自分は報われるのではないだろうか

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