今、そこにいる君

今、そこにいる君は僕の為のモノ。


高熱に浮かされる僕を休むことなく世話してくれた。


暗闇の中でも、君は僕をしっかり見つめて微笑む。


まだ火照る額に当てられたその手は冷たい。


僕が心地よくなるようにしてくれているのだ。


『体温は37.3℃です。頑張りましたね』


ゆっくりと、僕の温度と君の温度が混ざっていく。


額と君の手のひらの間にあるこの熱こそ、平温なんだ。

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