第66話 鱧のフライ(3)

「えっと……シュウさんの故郷は日本という国。異世界にある国よ――」


 ファビオはまた目を丸くして驚く。

 異世界などというものは聞いたこともないし、どんな文献にも出てきたことがない。いや、自分たちが暮らすこの世界以外に生物がいる世界があることさえファビオは考えたこともなかった。


「い……異世界、とは?」


 ファビオは理解できない言葉だといった感じで問い返す。

 その訝しむような目には「そう簡単には騙されない」という強い意志が表れていて、クリスも納得させることさえ一筋縄ではいかないのではないかと不安になる。


「ものすごく簡単に説明するとね、わたしたちが住むコアという星ではなく、地球という星があるの。シュウさんは、その地球という星の日本という国の人なのよ」

「ほう……それは面白い話だ。証拠はあるのかい?」


 ファビオは軍では研究開発を主に担う部門に配属されていて、薬草の品種改良や、新たな効果がある薬草や木の実などを調査研究するのが主な仕事だ。

 そのためか、コア異世界では物理、化学などの科学的な進歩はまだ遅れてはいるものの、ファビオの考え方は科学者的で、論理で思考する傾向がある。ただ、ファビオはクリスに論理的に説明を求めても難しいことはわかっているし、ここで論議をするつもりもない。こういう場合は証拠を見せてもらうのが一番簡単でわかりやすいのである。


「ええ、だいじょうぶよ。だって、いまファビオお兄さまがいる場所――ここが地球の日本だから」

「……いや、それは証拠にはならないだろう?」


 ファビオはマルゲリットの露路に面した店の引き戸からこの店に入ったのだ。


「うん、わかったわ――でも、冷める前に食べない?」

「そうだな、まずは婿殿の料理を味わおう」


 誂われているのだろうかと訝しげな目でクリスを見ると、厨房からシュウがトレイに白いごはんと、味噌汁を載せて配り始めた。いつもとは違い、味噌汁から鰹の香りが漂ってくる。


「いい香りなの」

「ええ、本当にいい香りね……これはなんの香り?」


 シャルとクリスは味噌汁の香りを鼻を鳴らして嗅いで、ちょうど席についたシュウに尋ねる。


「ああ、これは『鰹』の香りだよ。今朝の『戻り鰹』を具にしたんだ。『鰹』の旨みとか香りがたっぷり出てて、美味いんだ」

「へぇ……」


 この味噌汁は鰹のタタキで有名な高知県の郷土料理のひとつである。鰹も捨てるところがないとされる魚で、内臓は酒盗になるし、頭はアラ煮やビンタ(鹿児島の郷土料理)にもなる。


 クリスが珍しそうに汁椀を覗き込んでいると、シャルが左手に汁椀を持って味噌汁に口をつける。


 ツナ缶のような濃厚な香りが口に広がり、舌を鰹の旨味たっぷりの煮汁と味噌の味が包み込む。ほろほろと崩れた鰹の身はしっとりと柔らかく煮えているのだが、味噌汁よりも濃い鰹の旨みをまだ残していた。


「ふわぁっ……これ、おいしいのっ!」

「だろう?」


 満面の笑みを湛えて自分を見つめたシャルに、シュウは親指を立てて応じた。


 食品成分表に書かれる「カツオエキス」というのは、鰹節で出汁を引いたものではなく、鰹の煮汁のことだ。

 その鰹の煮汁で作った味噌汁なのだから、旨いに違いない。


 それを見ていたファビオは興味を持ったのか、シャルと同じように味噌汁椀に手をのばす。無垢の木を削り、ウレタン塗装が行われた器の中は茶褐色で透明な出汁の部分と、味噌が溶けた部分が分離しているのだが、ファビオは右手にフォークを持って軽く混ぜ合わせると、口縁に唇をあてて汁を啜る。


「ズズズッ」


 濃厚な鰹の旨みと香りが溶け出した出汁が放つ香りが口腔から鼻に抜けて風味となる。

 解けた鰹の身と、薬味として入れられた青ネギが口の中に流れ込んでくるころには、鰹のエキスと味噌の旨みが舌を包み込んでいた。青ネギのシャクシャクとした歯ざわりを感じると、鰹の身はしっとりと柔らかく、その身に残す旨みをじわりと舌の上に広げる。


「ああ、うまいっ……」


 優しく、柔らかい味噌汁の味が身体に染み込んでいくような感覚を感じたファビオは、味噌汁を飲み込むと呻くような声で呟いた。


 既に空になったグラスのことは忘れ、ファビオは食事の方に目を向けた。目の前にはまだ揚げて時間も経っていない鱧のフライがあり、茶碗には白いごはんが盛り付けられているのだが、ここでファビオは戸惑った。どう食べればいいのかがわからないのだ。


「なあ、これはどうやって食べればいいんだ?」


 ファビオは味噌汁椀を下ろし、フォークを右手に持った状態でクリスに尋ねた。

 ファビオはそう何度もこの店に来ることもないだろうが、箸の使い方まで教えるべきかどうかとクリスが戸惑っていると、エドガルドの声がした。


「ここは屋敷ではないのだから、好きなように食べればいい。そのフォークで突き刺して、食えばいいじゃないか」


 箸を器用に使って、エドガルドは摘んだ鱧のフライにがぶりと齧りついてみせた。


「はい、父上……」

「――そうね、箸の使い方は覚えておいて損はないと思うけど……」


 好きなように食べるというのはなにか違うと言いたいところをクリスは飲み込むと、箸の持ち方を説明をすることにした。ファビオは研究職なので、ペンを持つことに慣れているのを思い出したのだ。

 クリスは自分の持つ箸を見せて説明する。


「一本をペンを持つようにして持って、もう一本を親指の付け根と薬指の間に挟むようにして固定するの。動かすときは、ペン側を動かせばいいわ――どうかしら?」


 ペンを持つ者にとっては、正しい持ち方さえ覚えていれば箸を持つまでは容易にできる。

 但し、箸で何かを摘むという動作や、引き裂くという動作をするには慣れが必要だ。


「こうかい?」


 ファビオは箸を正しく持つと、器用にも箸先をカチカチと合わせて見せる。


「ええ、そのとおりよ。上手じゃない――」


 とても簡単に教えたにも関わらず、簡単に箸を使いこなすファビオを見てクリスは唖然とする。自分は数日かかったのだから、こんなに簡単に使いこなされてしまうと立つ瀬がない。


 そんな表情を見せるクリスを見ていたファビオは、何もなかったかのように箸で鱧のフライを摘むと、そのままがぶりと齧り付く。右隣で食べているエドガルドの食べ方を見て、その方が美味しく食べられそうだと思ったのだ。


「サクッ」


 ファビオが衣に歯を立てると、とても軽快な音と共に鱧のフライを噛み切る。

 口の中に残った鱧のフライからは油の香りと、下味に用いられた胡椒の香りがふわりと広がって鼻腔に抜け、衣の中に閉じ込められていた鱧の旨みと脂の汁が口の中に溢れ出し、塩により引き立てられた濃厚な旨みが舌の上に広がる。白身魚ではあるが、鱈のような臭みは一切なく、サクサクとしたパン生地の衣に対し、ほろりほろりと解れて溶ける鱧の身の食感のコントラストもとてもはっきりとしていて、とても楽しい。


「濃厚でジューシー……これはとても旨い魚だ! これは、サン・リブレで捕れた魚なのかい?」

「いえ、これはオレの故郷――日本の海で捕れた魚です。『ウナギ』の仲間なのですが、海で一生を過ごす魚ですね」


 ファビオの問に対してシュウが海の魚であることを説明すると、ファビオは目を丸くする。


「う……海の魚?」


 そうして驚くファビオを横目にエドガルドはシュウに尋ねる。


「この魚は生では出さないのか? 刺身にしても美味しいような気がするんだが……」


 エドガルドは間に挟むファビオやクリスの向こうにいるので、カウンターに頭を乗せるようにしてシュウを覗き込んでいた。

 その姿を見て、相変わらず子どものようなところがある人だと思いつつ、シュウは返事をする。


「えっと、『ウナギ』の仲間は血液の中に、人間にとって有害な物質が含まれているんです。しっかりとした血抜きと、加熱によってその有害物質を壊すことで食べても無害になります。一部の店では刺身や焼霜などで提供するところもあるようですが……それで食中毒――食あたりになってはこちらの責任問題になりますからね……うちでは出しません」

「ふうむ……こんなに旨い白身の魚は初めてだというのに、刺身で食べられないというのは残念でしかたがないな」


 シュウのしっかりとした説明を聞いて、エドガルドも潔く諦めた。まあ、毒と言われても喜んで食べたいという人はいるまい。


「これが海の魚なのか……」


 ファビオはまだ半信半疑といった顔で呟くのだが、鱧のフライの味を気に入ったようで、齧りついては目を閉じ、その味を堪能する。

 衣と身の食感の対比、口の中に溢れる鱧の肉汁がまた舌を蹂躙していく。


「ファビオお兄さま、ここにある『レモン』を絞るとサッパリするわよ。あと、シュウさんが言っていたようにタルタルソースをつけて食べると味が変わって楽しいわ」


 クリスがレモン絞るのを見て、ファビオは見よう見まねでレモンを絞りかけた。

 果肉が潰れ、白く濁った黄色い果汁がぽたりぽたりと落ちると、レモンの爽やかな香りがふわりと立ち上る。


「ああ、いい香りだ。これはいいな――」


 レモンの香りに食欲を更に刺激されたのか、ファビオは小さく呟くと直ぐに鱧のフライに齧りつく。レモンの香りが衣に残る油の香りを消し、酸味が僅かに口に残る油っこさを洗い流してくれる。


「うん、美味い……『レモン』があればいくらでも食べられそうだよ」

「それはよかったわ。でも、『鱧のフライ』はもう残ってないからね?」


 クリスが釘を刺すようにファビオに伝えると、ファビオは眉を八の字にして残念そうに肩を落とす。ファビオの皿にはあと一切れしか残っていない。エドガルドは既に完食状態だ。


「じゃ、そろそろかな?」


 シュウは一言告げて立ち上がると厨房に戻り、大きめの丸盆にいくつかの皿や小鉢を載せ、急須を持って戻ってきた。


「今日の食事はこれで終わりです」


 シュウはエドガルドが使っていた茶碗をとるとごはんを入れ、厨房から持ってきた皿から鱧の身を置くと、急須から出汁を流し入れた。


「鱧茶漬けです」


 黄金色に染まった出汁の中に白いごはんの島があり、その上には細かく包丁を入れた鱧の身が白い花びらのように開いていて、その中央には赤い梅肉がちょんと乗っている。


「お好みでアラレを入れて食べるのもよし、刻み海苔を入れるのもよしですが……最初はそのまま食べてみてください」


 そう言うと、シュウはカウンター越しにファビオ、クリス、シャルの分も鱧茶漬けを作ってまわる。

 最初に鱧茶漬けを出されたエドガルドが真っ先に茶碗に手をのばすと、ズズズと鱧出汁を啜る。


「ふむ……これは芳ばしい香りだ。それに、しっかりと『スープ』に味が染み出していて美味い」


 エドガルドは茶碗を持ったままの姿勢で目を閉じたまま、余韻を楽しむように感想を述べた。

 その様子を見ていたファビオも、慌てて茶碗を持つと口縁を唇にあてて、ズズと啜り始める。

 骨と身を炙った芳ばしい香りが出汁とともに口の中に流れ込み、そのまま鼻の奥へと通り過ぎていく。そこには、鰹の味噌汁にも含まれていた香りが確かに含まれていて、舌の上でもその旨みがパッと広がっていく。


「本当に芳ばしいですね……だけど、これにはこちらの『スープ』にあった香りがします」


 ファビオは、味噌汁椀の中を指して鰹の香りが混ざっていることを指摘した。

 それを聞いたシュウは感心した様子で補足する。


「よくわかりましたね。『鱧』の出汁は一度炙った骨を使っているから、茶漬けにするには強すぎる……だから、『昆布』と『枯れ節』で引いた出汁で割ってあります」

「そういえば『鱧』って、とても生命力が強い魚なんでしょう? その鱧の力強さをちょうどいい具合に優しくしてるのが『昆布』と『枯れ節』なのね……この香ばしさがあれば、アラレや海苔なんて必要ないわね」


 クリスは出汁の香ばしさが気に入ったようで、薬味の類は使わずに食べている。

 エドガルドとファビオは、ちょっとアラレを入れてみたり、海苔を掛けてみたりすることで味や風味が変わるのを楽しんだ。







 全員の食事が終わり、今はお茶を楽しむ時間だ。

 シャルは昼の仕事で疲れたのか、和室に戻って少し眠るというと、お腹を擦りながらフラフラと奥へと向かっていった。


 すると、同じようにお腹を擦りながらファビオがクリスに尋ねる。


「ここが異世界だという証拠のことなんだが……」

「では、ファビオお兄さま――一緒にいらしてくださる?」


 クリスは立ち上がり、店の入口までつかつかと歩いていく。

 ファビオも椅子から立ち上がり、クリスのあとに続いた。なぜかエドガルドも一緒だ。


「カチャッ」


 クリスが引き戸の扉についた内鍵を締めた。鍵を締めると、店内の空間は完全に日本のそれになる。


「いま、鍵を掛けたわ。ファビオお兄さま――ここの突起を摘んで左に回すと鍵が開くの。やってみて」

「ああ、わかった――」


 ファビオが少し緊張した面持ちで引き戸の鍵についた突起を抓むと左に回す――。


「カチャッ――ガララッ」


 鍵を開くとすぐにファビオは引き戸を開いた。

 そして、今はあんぐりと口を開き、目を丸くして周囲を見回している。


「お父さまは出ちゃだめよ?」

「あっ……ああ……」


 クリスは外に出たがるエドガルドの機先を制すと、ファビオの手を引いて店の外に踏み出した。

 それを見送るエドガルドは眉を八の字にしてとても悲しそうな表情になっている。


 きょろきょろと頭を、視線を動かして周囲を確認するファビオの表情は、いまだに信じられないという気持ちが表れている。

 ファビオの視線には、マルゲリットの街にはないアスファルトで固められた道路に、地面に蓋をするかのように埋め込まれた丸いマンホールがある。道路には電柱がいくつも聳え立っていて互いを電線で繋いでおり、その電線はファビオが見たこともない形の建物のすべてに伸びていた。道路には数え切れないほどの人が歩いているのだが、誰もがファビオが見たこともないような服を着込んでいる。


 すると、背後から「シュィーン」という音が聞こえ、ファビオが振り返る。

 そこにはガラスの窓がついた鉄の箱があり、ガラスの向こうに人が乗っているが確認できた。その鉄の箱は静かに、ゆっくりとクリスとファビオの後ろについてくる。


「こっちにいらして――」


 クリスがファビオの手を引いて道路の端に退避すると、鉄の箱はほとんど音も立てずに二人の横を馬車よりも速い速度で走り抜けていく。

 角を曲がって広い通りに出ると、人の数は何倍にも増えた。そこはアーケードのある商店街だ。

 たくさんの人々の頭がアーケードの奥にまで続いていて、食べ物を売る店の美味しそうな香りが漂っている。


 ファビオの袖をぐいと引いて、クリスは耳元で囁く。


「日本へようこそ――これで信じてくれた?」


 ファビオはまだ言葉が出ないのか、無言でゆっくりと頷いた。







 店に戻ってきたファビオは興奮冷めやらぬ様子で、日本のことをいろいろと尋ね続けた。

 クリスは知っている範囲でファビオの質問に答え、わからないことはシュウにお願いしたり、リンゴのマークのタブレット端末で検索して調べたりして答えるようにした。


 しばらくしてファビオの興奮が落ち着いた頃、そういえばとファビオがクリスに尋ねた。


「あのシャルロットって子は何者なんだい?」

「数週間前にアプリーラ村が襲撃されて、シャルだけがこの街に逃げ延びてきたの。偶然、うちで保護したのだけれど、アプリーラ村の襲撃犯にすればシャルは唯一の目撃者じゃない? 危険だから、そのままうちで保護しているって感じね……ここだとわたしがいるし、夜は日本に行っちゃうから安全でしょう?」


 クリスの説明を聞いたファビオは、シャルがここで暮らし、日本で寝泊まりすることの意味を理解したようだ。だが、本人のためには親戚などに預かってもらうのが筋というものだろう。


「両親は襲われて亡くなったとしても、親戚とか預けるところはないのかい?」

「それがね……父親のロイクは三年前に戦場で捕虜になって行方不明、母親は襲撃前に病気で亡くなったのよ。それ以外の手がかりが今のところ見つからなくて……」


 一気に店内の空気が重くなる。

 実際には少しずつでは進展しているのであろうが、明日から収穫祭という時期にそれらの情報をまとめきれていないのだ。

 だが、そんな空気の中、シュウが不安そうにクリスに話しかける。


「そういえば、神戸に行くのはいいんだが、なんか勘違いされそうで怖いんだよ……どうにかならないかな?」


 普段、日本の街ではクリスとシャルは常に一緒にいる。プテレアがいるときもそうだ。

 ただ、自分は見るからに典型的なアラサーの日本人男性で、そんな男が金灰色とピンクの混じった髪をした十歳の可愛い少女を連れて歩いていると、余計な勘違いをされてしまうとシュウは心配しているのだ。

 そのことを理解しているクリスは、腕を組んでうーんと考えると、ファビオに声をかけた。


「ねえ、ファビオお兄さま。明日はお暇かしら?」

「オレは急に戻ってきたから祭りに出る予定もないし、仕事仲間も祭りを楽しみにしているから問題ないが……どうかしたのかい?」


 収穫祭の祭事に出る予定があるエドガルドとクリスが神戸に付き添うのは無理であるが、ファビオなら問題ないことが確認できた。


「あのね、明日はシュウさんとシャルの二人で日本の街を散策する予定だったの。でも、日本では子どもの保護が進んでいて、街の人たちの警戒心が異常なのよ……見た目が全く違う、親子ほど年齢が離れた大人が手を繋いでシャルを連れていたら警察に――日本の衛兵みたいなものね――捕まってしまうかもしれないわ。でも、ファビオお兄さまが一緒にいればだいじょうぶかなと……日本を観光できるチャンスでもあるし、明日はシュウさんと行動してもらえないかしら?」


 ファビオは特に明日の予定もなく、問題はないのだがううむと腕を組んで考える。

 すると、エドガルドが我慢できずに話し出す。


「ちょっと待て、わたしでさえ日本に行ったことがないのに、どうしてファビオが先に……」

「――お父さま?」


 クリスの鋭い言葉と視線がエドガルドに突き刺さると、エドガルドも最後まで言えないようだ。

 明日は収穫祭初日で、エドガルドは祭事に出席しないといけないのだから無理に決まっている。

 それでもエドガルドは抵抗してみたかったのだろう。


「よし、明らかに我らよりも進んだ文明を持つ日本という国を見てこようじゃないか」


 こうして、ファビオの日本散策が決まったのだった。

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