第9話 僕の秘密と嘘…
悠雨と仲直り(?)出来てから約一週間が経った。
ちょうどその頃、久しぶりに二人で出かけようと朱希から誘いが来た。
【ある日の電話でのこと】
「その日出かける時、私が前日に持ってくる服を着て来ること!」
電話がかかってきていきなりこのようなことを伝えられた。
唐突に言われたため、驚き
「いきなりなに!?てか着ていく服なんて自分で選ぶから…」そう返すも
「だ〜め!、そう言っていつも男子か女子かわからないような地味な格好してくるんだから‼それにこの前、クレープ奢ってあげたでしょ!だからそのみかえりに(笑)」
そう、あの日実はいちごクレープを買ってもらってしまったのだ。その為なかなか強くは言えず…
「で、でもどんな服を持ってくるの…?それだけは教えてよ!」
そう言ったものの
「言わな〜い(笑)どんな服が来るか楽しみみしててね〜」そう言って電話が切れてしまった。
「え、ちょっと‼…一体、どんなのを持ってくるんだろう…」考えるとどんどん不安が募ってきた。
【出かける前日】
そして出かける前日のお昼すぎ、“ピンポーン”という音を鳴らして朱希が訪ねてきた。
「やっほー‼服持ってきたぞ〜!」
そう言いながら服などの一式が入った紙袋を前に突き出してくる。
服を受け取り僕が少し不安そうな表情をしていると
「大丈夫‼ちゃんといいの選んで来たんだから!そんな不安げな顔しないの‼」
そう言われ「う、うん…」としか答えられなかったが内心では少しウキウキしている感情があった。
そして、そう勇気づけ(?)のようなものをしてから
「じゃあ、私用があるからまたね〜‼」
といい走って帰って行ってしまった。
「あ、ちょっと…!…行っちゃった…もう少し話したかったのに…」
そうつぶやきながら朱希から受け取った紙袋を手にしながら部屋へ戻って行った。
【お出かけ当日】
そしてとうとう二人で出かける当日となっ た。
朱希から渡されたのは、暖かめな薄いブラウン色でチェック柄のサスペンダースカートという肩に細い帯のようなものが掛かっていてスカートと続きになっているものと装飾が施された白いブラウスだった。
正直どんなものを渡されるのかわからなかったので確認した瞬間一気に安心感に浸った。
そして、それらを着て私物の中から合いそうなものを身につけ少しばかり辺りを見渡し外へ出た。
今回出かけるのは街中のお店が建ち並んでいるところなので少々人通りが多い公園で待ち合わせを予定した。
いつも僕が待たせているのは悪いなと思い今回は予定より少しばかり早く公園に着いた。
そして何分も経たないうちに朱希が道の向こう側から手を振りながら現れた。現れたと思ったら一気にその場から走って僕のいる場所に来た。
そして第一声が、
「やっぱり可愛い〜‼私よりも小さいから似合うと思ってたんだ〜」と発し抱きついてきた。
抱きつかれた瞬間、周りの視線が一気にこっちに集まった。その影響でだんだんと顔が赤くなっていってしまった。
「朱希、みんなが見てるよ…」そう伝えても
「見ててもいいの!私はただこの可愛いのを愛でてるだけなんだから〜」と全く聞く耳持たなかった。
そして約10分が経った後やっと通常の対面状態に戻った。その間周りに何人もの人が集まってしまった。
気にしていると恥ずかしくなってしまうので周りを気にしないよう朱希と話をした。
「そういえば朱希も僕と同じような服装だね。」
朱希が着ていたのは僕と同じサスペンダースカートで色は黒、そして僕が着ているのより白い暖かめな色のブラウスだった。
「そうだよ〜、私、妹いないからいたらこんな感じで2人で出かけたかったのよ〜」そう言われたので
「だからこの似たような組み合わせなのか…」と納得できた。
「そしてこうやって…後ろから抱きつきたかったの!」そう言いながら後ろから抱きついてきた。
「もう!だから周りが見てるから〜‼‼」
〜 続く〜
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