きみに伝えたい

須川  庚

プロローグ

 ずっと前から、好きな人がいた。

 色素が薄く、中学時代はずっと毎日美術室でスケッチをしている。

 それは幼なじみの橋元はしもと悠也ゆうや

 彼とは中学を卒業してからは会っていなかった。

 理由は悠也が美大附属高校に進学することを、受験勉強をしているとき噂で聞いてしまった。

「悠也。美大附属に行くの」

「うん、自分のレベルを確かめたくて、合格したんだ」

「そっか……がんばってね!」

 わたしは想いを伝えたいたかったけど、それはしなかった。

 少しだけ悲しそうにしてた悠也の表情は、そのときはどうしてかはわからなかった。

 でも、一年後。

 その理由が明らかになった。

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