第9話 芥子粒

そらの器に遊ぶ雲から

陽がこぼれ糸をひき

碧の芥子粒となり


ふりそそがれる


陽が袖にかかれば

瑞々しい碧のくもの子

ついつい揺れている


しばしの間、ついついと

どこへ行こうか考えている


そらの器から

溢れたいのち


ついつい生まれたいのち

もう空の器には帰れない

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