あなたと一緒にいたいんだもん

 破壊の象徴として恐れられた化物は死にかけていた。化物を庇う者などおらず、静かに朽ちていくはずだった。

 それなのに。化物に寄り添う一人の少女がいた。


『どうして我に寄り添う』


 化物は不思議でたまらなかった。

 少女は無邪気な笑顔を見せて。


「あなたと一緒にいたいんだもん」


 と言った。

 化物は不細工な笑顔を浮かべた。

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